オフィス移転の要点を順を追って知りたい
①オフィス移転の準備に関して
はじめてのオフィス移転、どのように進めればいいのでしょうか?
1.解約予告期間の確認
解約予告とは、現在借りているオフィスの貸主(管理会社)に対して退去をする旨を通知することです。オフィスの場合は「6ヶ月前」か「3ヶ月前」が一般的ですが、契約状況によりますのでしっかり確認しておきましょう。
2.コストの試算
オフィス移転には様々な費用が発生します。想定外の費用が発生したために、内装工事の縮小やお洒落なオフィス家具の購入を断念することを防ぐために、予め費用の概算を見積もっておくことが肝要です。
3.移転の目的を明確にする
「人員増加のため規模拡大」「リモートワーク推進のためオフィス縮小」「賃料を下げたい」など、オフィス移転には何かしらの理由があるはずです。
移転の目的、必須条件、優先順位を明確にしておきましょう。
4.スケジュール作成
全体のスケジュールを立てる際の基準は「現在のオフィスの解約予告期間」になるかと思います。解約予告期間が確認出来たら、解約日を定め、解約日から逆算してスケジュールを立てていくのが良いでしょう。
下図はスケジュールの一例です。
②発生するコストに関して
オフィス移転で発生するコストが知りたい
1.新オフィス契約費用
- 敷金:一般的に賃料の10~12ヶ月が相場
- 礼金:物件によって異なりますが、オフィスでは礼金が無いことが多い
- 仲介手数料:賃料の1.1ヶ月分が上限
2.内装工事費費用
内装に手を加える場合にかかる工事費用のこと。
例えば、新しいオフィスでエントランスに大きいロゴ看板を付けたり、会議室や社長室、部署ごとの区切りを設けるためにパーテーションを造作するなど。
3.引越し費用
- 引越し作業費:オフィス家具、什器、複合機、書類の入った段ボールなどの移動にかかる費用のこと
- 家具・什器・機器購入費用:オフィス家具、什器、OA機器などを新調する際に発生する費用のこと
- 電話工事・LAN工事費:モデム・ルーターからオフィス内の電話機、ネットワーク機器までの配線を行う工事にかかる費用のこと
- 電源工事費:分電盤から配線し、オフィスレイアウトに合わせてOAタップを配線を行う工事にかかる費用のこと
- オフィス家具・機材廃棄費:デスクや椅子、オフィス家具や機材の廃棄処分にかかる費用のこと
4.原状回復工事費用
内装全般から設備に至るまで入居時の状態に戻す工事にかかる費用のこと。
賃貸オフィスの原状回復費用は、一般的に借主が支払うことになりますが、貸主が費用をもつ場合もあるため、契約内容をよく確認しておきましょう。
5.その他の費用
住所変更による名刺や封筒、会社案内等の印刷費や、登記変更の費用など
③内装設計(オフィス家具・什器レイアウト)と原状回復工事に関して
仕事の効率性を考慮した内装設計とは?
・通路の幅
1人が通るには最小でも600mm
2人がすれ違うためには1,200mm、余裕を見る場合は1,600mm
・打合せスペース
壁とテーブルの間は狭くて600mm、余裕を見て900mm以上
・デスクと壁の間
着席時の基準寸法は450mmなので、人が通るスペースを考慮すると、約1,000mm
・デスクとデスクの間
両側の席に人が座り、その間を人が通れるスペースを設けるとすると、約1,500mm以上
原状回復工事とは?
現在使用中のオフィスは、契約終了までに入居前の状態に戻しておく義務があります。入居前の状態に戻す工事のことを原状回復工事と言います。
A工事・B工事・C工事とは?
原状回復工事は、A工事、B工事、C工事の3種類の区分になっていて、それぞれ、誰に原状回復の責任があり、誰が工事業者の指定をするのかが異なります。
費用担当・発注者 | 工事業者 | 施工範囲例 | |
---|---|---|---|
A工事 | 貸主 | 貸主指定 | ビルの躯体やサッシ、共用部分の内装など |
B工事 | 借主 | 貸主指定 | 電気・空調・排水・防災設備工事など |
C工事 | 借主 | 借主指定 | 専用部分の内装、照明器具など |
オフィスの原状回復工事は「B工事」がほとんどです。B工事は、工事業者の指定が貸主ですが、支払いは借主となるため、工事の詳細が不透明なまま、高額な見積りを渡されてトラブルになるケースも少なくありません。
貸主との交渉次第では「C工事」にできる場合もありますので、状況に合わせて相談しましょう。
なお、C工事の契約の場合、原状回復を行っている業者に工事を依頼します。業者側で現場調査(補修箇所確認)、工事費用の見積り、資材調達等の作業工程があるため、遅くても工事予定日の1ヶ月以上前に手配をしておくことをお勧めします。
④引越し・作業工程組みに関して
オフィス移転では、オフィス家具・什器の移動だけではありません。
電話回線や、インターネット回線、プロバイダなどの回線業者への移転手続きと、それら移転先での電話配線工事やインターネット環境構築工事、さらに電源工事を行わないとならない場合があります。
これらの工事は内装工事とともに、工事工程を組んで進めていくことをお勧めします。
営業時間:9:00〜18:00(土・日・祝日除く)
この回答は解決のお役に立ちましたか?
貴重なご意見ありがとうございます。
参考にさせていただき、今後もよりお客様にあったコンテンツ提供に努めて参ります。