【個人事業主向け】固定資産税を節税するには?減免措置と対象範囲を解説
土地や建物など不動産を所有していれば、毎年固定資産税を納める必要があります。
固定資産税は、法人であっても個人であっても納めるのが義務です。
ただし個人でも、個人事業主の場合は固定資産税を節税することができます。
税の負担を軽減するために、この記事では、個人事業主が利用可能な減免措置や節税方法を紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめです
- 固定資産税を節税する方法を知りたい方
- 個人事業主が利用できる減免措置を知りたい方
- 減免措置の対象となる条件を知りたい方
個人事業主の固定資産税は経費にできる?
結論からいえば固定資産税を経費として計上することは可能です。
ただし、経費として計上するには一定の条件があります。
また、経費にできるといっても固定資産税の全額が対象になるわけではありません。
対象となる条件は「固定資産を事業に使用していること」です。
自宅兼事務所や自宅兼店舗の場合「事業に利用している部分」にかかる固定資産税だけが経費として認められます。
この考え方は、光熱費や通信費など他の経費と同様で、プライベートと事業の使用比率を出すことを「家事按分」といいます。
固定資産税も同じように、床面積や日数、時間などから事業に利用する分を計算して按分するのが原則です。
個人事業主が利用できる固定資産税の減免措置
個人事業主が利用できる固定資産税の減免措置はいくつかあります。
では、実際にどのようなものがあるのか見ていきましょう。
個人事業主が利用できる固定資産税の減免措置
- 新築住宅に係る税額の軽減措置
- 認定長期優良住宅における特例措置
- 既存住宅の改修における特例措置
- 先端設備導入に係る固定資産税の軽減措置
- 固定資産税等(土地)の負担調整措置
新築住宅に係る税額の軽減措置
1つめは新築住宅に係る税額の軽減措置です。
新築住宅にかかる固定資産税が対象になる措置で、一定期間税金が減額されます。
具体的な期間は一般住宅(戸建て住宅)が3年、マンションなどは5年間で、それぞれ固定資産税が半分に減額されるという措置です。
この減額措置は、良質な住宅の建設促進と住居水準の向上のために、初期負担の軽減を目的としています。
また、店舗や事務所を自宅と兼ねる場合は「住居部分の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下である」ことが条件です。
ただし、新築住宅に係る税額の軽減措置は今後も永久的に続くわけではありません。
措置の対象になるのは2024年3月31日までに建設され完成した新築物件のみです。
この期限を過ぎて完成した建物は対象にならないので注意が必要です。
認定長期優良住宅における特例措置
2つめは認定長期優良住宅における特例措置です。
一定の認定長期優良住宅の新築もしくは取得した場合に対象になる措置です。
認定長期優良住宅は「耐震性や耐久性、可変性に優れており、適切な維持保全が確保されると認められた建物」を指します。
認定長期優良住宅の普及を目的とした特例措置です。
対象の物件に対し、一定期間固定資産税が減額されます。
一般住宅は5年間、マンションなどの場合は7年間にわたって固定資産税が半分になります。
他にも、登録免許税や不動産取得税、所得税も軽減の対象です。
それぞれの減額期間が過ぎれば、固定資産税額は通常に戻ります。
既存住宅の改修における特例措置
3つめは既存住宅の改修における特例措置です。
特例措置の改修は「バリアフリー改修」「耐震改修」「省エネ改修」が対象になります。
耐震改修、省エネ改修については、リフォームによって性能を向上し、次世代へ資産として継承していける良質な住宅をストックすることを目的とした措置です。
これらの改修工事を行ってから、実際に居住を開始した年もしくは工事が完了した年の所得税額が一定額控除されます。
先端設備導入に係る固定資産税の軽減措置
4つめは先端設備導入に係る固定資産税の軽減措置です。
この軽減措置は中小企業の生産性の向上を促進することを目的にしています。
支援の対象になるのは市区町村の先端設備等導入計画の認定を受けた設備投資をした場合です。
また、先端設備については「労働生産性の向上に必要な生産、販売活動等の用に直接供される設備」とされています。
中小企業庁は、対象となる設備として機械装置、測定工具および検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェアをあげています。
ただし、実際の導入促進基本計画は市区町村ごとで策定されるため、どの設備が対象になるのかなどは窓口に確認したほうがいいでしょう。
この軽減措置は、3年間にわたって新規取得設備にかかわる固定資産税の課税標準が2分の1に軽減されるという措置です。
固定資産税等(土地)の負担調整措置
5つめは固定資産税等(土地)の負担調整措置です。
この措置は固定資産税の大幅な上昇を防ぐことで課税の均衡化を図るための制度です。
土地の価値が上がるのは一見良いことのように感じますが、その分固定資産税も上がり、納税者の負担も増えることになります。
固定資産税を納めるだけで余裕がなくなることもあるでしょう。
負担を調整する具体的な方法は「負担水準の高い土地では負担を抑え、負担水準の低い土地では課税評価額を上げる」というものです。
これによって、所有している土地が何らかの要因で大幅に評価額が上昇しても、固定資産税が急激に上がることを防ぐことができます。
ただし、負担調整の割合は自治体ごとで変わります。
そのため、詳しい内容については市区町村の固定資産税担当者に確認しましょう。
個人事業主が固定資産税を節税する方法
個人事業主が固定資産税を節税するには、いくつかの方法があります。
最後に、その方法を3つ紹介します。
個人事業主が固定資産税を節税する方法
- 土地を文筆する
- 非課税対象の土地があれば申告する
- 特例や支援措置をよく確認する
土地を文筆する
土地を分筆することは固定資産税を節税するための一つの手段です。
文筆とは、一筆になっている土地をあえて分割することをいいます。
「一筆」は土地の単位を指す用語で、一つの独立した土地のことです。
文筆によって土地をいくつかに分割し、利便性の低い土地や形の悪い土地を作り出します。このような土地は、使い勝手が悪いために評価額を下げることができます。
ただし、文筆を行うには登記や測量などの費用がかかります。
よく考えなければ固定資産税を減税できる金額より登記や測量にかかる費用のほうが高くついてしまうこともあります。
必ず事前に減税額と費用を比較し、そのうえで決めたほうがいいでしょう。
また、明らかに減税目的であると判断されると、文筆する前の状態で評価されることもあるので注意が必要です。
非課税対象の土地があれば申告する
非課税対象の土地があるなら申告するほうが節税対策になります。
非課税になるのは公益性が高い土地です。
その地域には欠かせない道路や公園などは公益性の高い土地とされるため、条件によっては非課税になります。
これらの土地は申告しないままであれば課税されてしまうことがあるため、対象になるようであれば申告しましょう。
ただし、どういった土地が非課税になるかは地域によって条件が変わってきます。
自分で判断せず、まず確認したほうがいいでしょう。
特例や支援措置をよく確認する
利用できる支援措置や特例がないか確認することも大切です。
通常の生活や仕事の継続が難しい状況のときは、収入が減少して固定資産税を納めることが難しくなります。
例えば、自然災害や新型コロナウイルスなどやむを得ない状況のときは、救済する目的で固定資産税の減免などの特例や支援措置がとられてきました。
特例や支援措置があるのを知っているかどうかで、節税できるかどうかも大きく変わってきます。
状況に応じて利用できる固定資産税の減免措置や特例がないかを管轄の市区町村に相談したほうがいいでしょう。
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