少子高齢化などが課題になっている日本では、国内需要が頭打ちになるなかで海外に活路を求めるのもひとつの方法となっています。
ただ、海外進出をした際に成功するためには、ポイントを押さえて動かなければなりません。
本記事では、海外進出を検討する中小企業が成功するために、失敗例を挙げたうえで5つのポイントについて解説します。
この記事はこんな方におすすめです
- 海外進出を成功させる方法を知りたい方
- 海外進出のリスクや注意点を知りたい方
- 海外進出にあたってすべきことを知りたい方
ビジョングループお客様サポートサイト編集部
海外に進出する中小企業は増えている
日本では物価高や人口減少などが原因となって国内消費が減少しており、企業間の競争が激化しています。
事業を拡大している企業であっても、利益面を見ると減少しているケースも多くなっています。
一方で、経済発展中の新興国では市場規模が拡大しています。
特に、アジア市場は世界的に見ても拡大しており、2030年には世界市場の60％程度を占めるだろうと予想されています。
海外では人件費や原料費などコストが安かったり、デジタル技術が発達していたりと、海外展開しやすい環境が整ってきています。
また、海外での税の優遇措置を利用して、節税が可能となる場合もあります。
海外に進出した中小企業によくある失敗ケース
海外に進出した中小企業もかならず成功するわけではありません。
失敗するケースもあり、そういった海外進出に失敗する企業には共通する要素があります。
ここでは失敗する中小企業によくあるケースを3つ紹介します。
グローバル人材が不足している
失敗する理由の一つ目に海外やその国について精通しているグローバル人材がいないことがあげられます。
少子化による人手不足や資金の調達不足などが課題になりがちな中小企業では、海外進出をしたとしてもグローバル人材を確保し、育成するのは非常に困難です。
現地の文化や習慣などを理解したうえで事業を展開することができなければ、海外において安定した利益を得ることは難しいでしょう。
また、グローバル人材は、現地に訪問しての調査やさまざまな面での情報を分析する役割を担います。
そうした人材が乏しければ、現地の情報を集めにくく、実情をつかめません。
事前の調査や戦略立案が十分ではない
海外進出する際の重要ポイントは、地元のニーズや習慣に合わせて自社製品・サービスをPRすることです。
その土地や地域に適した戦略を立てる、または戦略を措置や地域に適した形に変えることをローカライゼーション戦略と言いますが、事前の現地調査が十分にできていなければローカライゼーション戦略をたてることは難しいでしょう。
海外進出する際には、あらかじめ目的とそれを達成するための細かな経営計画を考えなければなりません。
そうした調査や戦略立案が不十分であれば、海外進出の成功の可能性は格段に小さくなるでしょう。
販売先を確保できない
海外に進出しているのは日本だけではありません。
ほかの先進国も積極的に海外市場に進出しています。
そのため、販路を確保するのは非常に重要で大きな課題のひとつといえるでしょう。
確保できなければ、売上を伸ばすこともできません。
海外に進出するということは日本国内の競合他社だけではなく、現地企業や海外企業との競争も避けられません。
しかも、販売先などから価格について交渉される可能性もあります。
信頼できる仕入れ先を確保する、または販売先と安定的に取引できる状態を作ることは海外進出の生命線であるといっても過言ではありません。
中小企業の海外進出を成功させる5つのポイント
こちらでは前述した注意点をふまえて、中小企業が海外進出で成功するためのポイントについて5つ紹介します。
必要資金を確保する
海外進出するにあたって必須と言えるのが資金の確保です。
法人としての設立費や人件費、運送費、現地の市場を調査する費用なども必要です。
また、進出した国の市場の変化によって売上が低迷した場合や、為替リスクに対策するなど万が一に備えておく必要もあるでしょう。
資金を準備できたとしてもギリギリの状態では、海外で安心して事業活動することはできません。
そういった費用を補うために利用できるのが、日本政府からの公的支援金や銀行からの融資、ベンチャーキャピタルの出資などです。
進出後のリスクマネジメントを考慮すると、ある程度余裕のある資金づくりをしなければなりません。
グローバル人材を育成・採用する
海外進出後の成功を目指し、長期的な目線でグローバル人材を育成できるような環境をつくることが必須です。
自社の強みを活かせるように市場の動きを知り、ニーズを把握するためには即戦力となるグローバル人材を採用しなければなりません。
ただ、人材不足であったり、資金不足だったりという課題があった場合は外部機関を利用することも検討したほうがよいでしょう。
たとえば、現地の市場などに詳しいコンサルタントを見つける、公的機関を活用するといった方法が挙げられます。
経済産業省では外国人留学生の採用を推奨しているため、進出する国の出身者（留学生）の採用は、有効なひとつの方法です。
そのほかにも、さまざまな団体が行っている「中小企業海外展開サポートデスク」や、海外展開を検討している企業の担当者向けの「中小企業海外ビジネス人材育成支援事業」があります。
経済産業省が実施している「国内・海外販路開拓強化支援事業」に相談してみるのもよいでしょう。
特に、海外での販路の確保は重要ポイントなので、こういった支援は積極的に活用するのがおすすめです。
カントリーリスクマネジメントをする
カントリーリスクとは、その国ならではの政治や経済、社会的変化などがもたらすリスクや宗教的事情などを指します。
国によっては治安や政治が安定していない新興国もあり、そういった国でのカントリーリスクは特に注意しなければならないものです。
海外進出として候補に上がる上位国は中国、インドネシア、タイ、ベトナムがあります。これらの国については、日本が資本主義であるのに対して、中国やベトナムは社会主義です。
そのため、日本にはない販売に関する独自のルールが存在しています。
また、インドネシアはイスラム教徒が多い国です。
宗教的な習慣があるため、生活の中で求められることや反対される行動について考慮した進出計画が必要になるでしょう。
このように、それぞれの国についての事情は事前調査と対策が必要です。
信頼できるアドバイザーに相談する
海外進出する際に、現地での信頼できるパートナーあるいはアドバイザーを確保できているかどうかは、事業の成功という意味で重要なポイントと言えます。
問題なくスムーズに事業拡大ができればよいですが、必ずしもそうとは限りません。
できるだけリスク回避できるように対処するためには、現地に詳しく、しかも信頼できるアドバイザーが必要不可欠です。
そういった存在がいれば、何か困ることが起こった場合にも適切なアドバイスやサポートをしてもらえます。
ただ、現地に詳しいだけではなく、信頼できる人材となると、自力で探すのは非常に困難です。
そのため、進出先エリアに詳しいコンサルティング会社に相談してみるのもひとつの方法です。
コンサルティング会社のなかにはグローバル企業もあるため、さまざまな面からアドバイスしてもらうことが可能です。
デジタルマーケティングを活用する
現地向けにウェブサイトを開設することで、自社の商品・サービスを現地の人に認知してもらうことが可能です。
また、あらかじめ知ってもらえれば、進出後にも受け入れられやすい環境づくりができます。販路を確保することにもつながる可能性もあります。
それに加えて、検索エンジンを最適化したり（SEO）、ECサイトを構築したりと、より集客につながる流れをつくるのが効果的です。
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海外進出を視野に入れて少しずつ準備を始めよう！
海外進出を考えている中小企業はグローバル人材や必要資金の確保など、できる部分から少しずつ準備していくことが大切です。
どれもすぐに準備できるものではないため、進出したい時期を念頭に置いたうえで早めに行動しましょう。
たとえば、進出後にスムーズに現地で受け入れられるように、海外向けのホームページを開設して備えておくことも重要なポイントといえます。
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