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起業後、赤字を出さないために必要な4つのこと

はじめに

起業してすぐに黒字経営ができるかといえば、そうではないケースが大多数を占めるのではないでしょうか。
実は起業してからその会社が生き残れる割合は、1年後には40%、5年後には15%、10年後には6%…といわれています。つまり長期的に事業を続けていくのは非常に厳しいのが現実。そうした事実を知っておいて、事業を成功するために必要な心構えを起業前から持っておくことが大切です。

▼目次

起業後に赤字になる理由

起業する際、初年度にはどうしても経費がかさんでしまうのはある意味仕方のないことです。たとえば店舗をかまえて飲食業をするということになれば、テナントの賃貸料や改装費などにまとまった資金が必要になるのはもちろんですし、在宅ビジネスを始める人でもパソコンの周辺機器やソフトウェア、いままでは会社にあったため自宅では必要なかった備品などの購入も必要になってくるでしょう。

コストと比較して黒字になるだけの集客は見込めているのか。資金調達面は問題ないか。赤字になった理由を考えたときにおそらくそこまで複雑な理由はありません。まずは根本的な理由を考えてみましょう。

・売上よりもコストが高い

顧客がたくさんいて、商品(サービス)もよく売れているのに赤字、ということは単純にコストがかさんでいるということになります。「売上1億円突破!」となれば、聞こえは良いかもしれませんが、売上高がどんなに高くてもコストばかりかさんで利益が出ていなければビジネスとしては全く意味がありません。
売上高だけを見るのではなく、物を売れば売るほど損をするというようなことがないように、見積もりの段階でコストの見直しをしなければなりません。ビジネスにおいて大切なのは顧客ももちろんですが、なにより『利益』です。

・そもそも事業計画がしっかりできていない

起業して資金を調達するときや公的助成金などを申請する際に必要になる『事業計画書』。事業の目的や内容、売上・利益予測などを書いて、将来性のあるビジョンがあるのかどうか、コンセプトがしっかりしているのかなどをアピールするものになります。資金の調達が必要でなければ、必ずしも書く必要はない書類ではありますが、実際起業するのであれば、この書類がすらすら書けて当たり前、くらいあるべきでしょう。
頭の中で自らが行う事業についてぼんやり想像しているだけでは、その事業を軌道に乗せていくことは難しいでしょう。ですがしっかりとした事業計画を立てていれば、もしうまくいかなくなった時にその原因は何か、どこを改善すれば良いのかということが検証しやすいため、事業を修正し軌道にのせていくこともそれほど難しいことではないでしょう。

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赤字にならないために必要な4つのこと

では、赤字にならないためにはどうすればいいのでしょうか。実は単純で簡単なことばかりなのですが、これらのポイントを見極めることで、自身の起業やビジネスについても改めて考え直すことができるかもしれません。

1.お金を生まないものに資金をつぎ込まない

必要なところに資金を投入することは大切なことですが、起業をしてすぐに、不必要な部分にお金をかけることは赤字になるリスクが高いといえます。たとえば、オフィスを構える場合、目立つところにオフィスを借りたり、内装やデザイン・家具などにこだわって洒落たオフィスにしたりすることは、起業を志す上で大事なモチベーションになるかもしれません。さらに顧客が実際にオフィスに訪れる場合は、ビジネスを一緒におこなっていく上で信頼されるかどうかを左右する大事な条件になることもあるでしょう。

ですがその改装費や設備投資、月々の家賃はいま、本当にかけるべき費用なのでしょうか。 資産でありながらも『負債』とも考えられるのが事務所・オフィスです。事業が軌道に乗るまでは、必ず出ていく固定費をできるだけ小さくすることを心がけることが大切です。

2.かかる費用が適切なのかどうか検証してみる

1であげた事務所の費用と少し似ている部分でもありますが、広報費用も同じことがいえます。自分の会社、事業を広めていくにあたり、高額な広告を出すようなことは難しいにしても、自身のビジネスのホームページを持つことは最低限必要だと考えている人は多いはずです。しかし、WEB制作業者に頼んでオリジナルのWEBサイトを作るという選択肢だけしか考えていない、というような場合は注意が必要かもしれません。
WEBページの制作にかける費用が本当に正しいのかどうか、タイミングと合わせて一度考えてみましょう。たとえば初期費用を抑えようと思っているのであれば、まずはFacebookやInstagramといったSNSを使ったPRから始めていくのというのもひとつの手段です。また、自身で独自のドメインを取得してレンタルサーバーを借り、自分でも制作できるホームページ作成サービスを使えば、かかる費用を年間1~2万円程度にすることも可能です。

3.個人事業からスタートしてみる

「起業する」というと、「会社を作る」というイメージが強いかと思いますが、まずは個人事業としてスタートさせて、軌道に乗ってから法人化する、という方法も手段としてあります。もちろん法人化をすることによるメリットも多くありますが、たとえば費用面でみたとき、法人設立費用は株式会社なら約20万円、合同会社でも約6万円の法的費用がかかります。また法人であれば赤字でも地方税を年間7万円支払う必要があります。

取引する企業に制限があり、「法人でないと取引不可」というような縛りがある場合などではなく、特に法人化する理由や条件がないのであれば、個人事業主からはじめて、軌道に乗ったタイミングで法人化するという方法で初期費用を抑えることができます。ちなみに個人事業主であれば、税務署に書類を提出するだけで、費用ゼロで起業は完了します。

4.ブレーンを利用する

自分が思い立ってした起業なのだから、経営しているのは自分であり、その責任はすべて自分にあると責任感の強い経営者は思いがちです。確かに、経営上の問題を自力で解決できればそれに越したことはないのですが、すべてが思い通りにいくとは限りません。

ビジネスをしていくなかで、『経営リスク』と呼ばれるものはたくさんあります。注意していれば避けて通ることができるものもありますが、突然自分の身に降りかかってくる、回避しようのないことが出てくることもあるでしょう。そんなときは自分1人だけで対処しようとすると、場合によっては対応が後手になり、知らず知らずのうちにコストがかさんでしまっていた、といったようなこともあるかもしれません。

そうならないためにも、適切な頼れる知人・友人、その分野の専門家や支援機関に駆け込み、対処法を相談することも赤字を避けるためにはとるべき1つの手段です。なかでも公的に配置されている専門家や起業をサポートする支援機関は非常に役立つ強い味方になってくれるでしょう。素朴な疑問レベルから、事業計画や融資についての経営の舵取りに関するレベルまで、幅広く相談することができます。こうした自分以外の頼れる人、機関をフル活用することで、赤字を最小限に抑えることができます。

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起業前は、起業後の運用をふまえた準備を

起業を思い立ったそのときから、それに向けとにかくさまざまな準備をおこなっていく必要があります。自分が将来的には本業としようとしていることをまずは副業としてスタートし、手ごたえをつかんでいくということがリスクを考えたときには1番低いのかもしれませんが、現実問題副業をすることが難しい人も少なくないはずです。

しかし、副業ができないということを言い訳に、起業について準備も計画もせず夢だけを思い描くということは、起業を目指す上では怠慢でしかありません。自分が始めようとしているビジネスの価値や顧客、収益やコストをしっかりと考え、人脈づくりや必要なコストをまかなうための資金集め(貯金)など、できる範囲からコツコツとやっていくことが大切です。
赤字に直接的に関わってくるのは、ずばり“資金調達”と“かかるコスト”です。この2点について時間をかけて考え、準備・計画をしていくことで、しっかりと地に足の着いた状態からビジネスをスタートさせることができるといえるでしょう。



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