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会社設立後は、法人名義の銀行口座を作ろう。メリットや手続きを解説

はじめに

会社設立が完了したらすぐにでも本業をスタートさせたくなりますが、その前にやっておくべきことがあります。それは、法人名義の銀行口座を作っておくことです。ここでは、法人名義の銀行口座を作るメリットや、開設に必要な書類、金融機関ごとの特徴について説明します。

▼目次

会社設立後、法人名義の銀行口座を作るべき理由

会社設立のための登記申請が完了したら、法人名義の銀行口座を開設するのがおすすめです。開設義務があるわけではありませんが、作っておいた方が多くのメリットがあります。まずは、法人名義の銀行口座を開設するメリットを見ていきましょう。

1.社会的信用が高まる

法人名義の銀行口座を持つことで、社会的信用が高まります。個人事業主ではなく会社を設立する大きなメリットは、取引先や銀行から信頼を得られることです。代表者個人名義の口座を取引に使ってしまうと個人事業主と変わりなく見えてしまい、せっかく会社を設立することで得られた社会的信用が生かされません。

2.各方面に不要な心配をかけない

法人名義の銀行口座開設は義務ではないので、代表者個人名義の口座を使って取引することも可能です。しかし、例え社長1人の会社であっても、個人と法人は別人格。そのため、個人の資産と会社の財産は明確に分けなければなりません。

法人名義の銀行口座を作らず、代表者個人名義の口座を使い続けると、会社の財産と個人の資産が混ざっているのではないかと税務署や取引先に心配されてしまいます。自身がきちんと分けていても不要な心配をかけてしまうため、法人名義の銀行口座を作っておきましょう。

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法人名義の銀行口座を作るために必要な書類

法人名義の銀行口座を作るためには、通常の個人名義の口座を作るよりも必要になる書類数が多いです。事前に確認し、忘れず窓口へ持参しましょう。

・必須書類と用意しておくべき書類

金融機関によっても異なりますが、法人名義の銀行口座を作るためには以下の書類が必要です。

1.登記事項証明書(登記簿謄本)

2.定款

3.代表取締役の印鑑証明書

4.会社実印

5.銀行印

これらに加えて、運転免許証などの本人確認書類が必要になります。何が必要かは金融機関によって少しずつ異なるため、事前にホームページで確認しておきましょう。ちなみに、必須書類とされていなくても、以下のようなものがあるとスムーズに手続きができます。

1.法人設立届出書の控え

2.事業計画書

3.オフィス賃貸契約書

4.会社案内、パンフレット

事業内容を説明できるようにしておこう

法人名義の口座は、一般的な個人の口座よりも開設のハードルが高いです。そのため、開設のために窓口へ行くと事業内容の説明を求められることがあります。融資を受けるときのように詳しく説明させられることは稀ですが、あまりに事業内容が不透明だと口座の開設を断られることも。

会社案内や事業計画書などの資料を持参すると同時に、口頭でも事業内容を説明できるようにしておきましょう。事業内容に一貫性がない、事業計画が定まっていないなどの場合は会社の実態がつかめないと判断されてしまうため、事前に内容を確認しておくことが重要です。

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法人口座開設にかかる期間や銀行ごとの特徴をチェック

法人口座の開設を申し込んだ場合、いつから口座が使えるようになるのでしょうか。口座が利用できるようになるまでの期間や、銀行ごとの特徴を確認しておきましょう。

・法人口座開設には、どれくらいかかる?

法人名義の銀行口座を開設できるようになるのは、会社設立のための登記手続きが完了してからです。どんなに早く法人口座を開設したいと思っても、登記が済んでいないと申請すらできません。

そして、近年では法人名義の口座を振込詐欺に使うなど悪質な犯罪が横行しているのが現実です。そのため、法人口座開設は個人口座開設よりもずっと厳しいといえます。窓口で事業の説明を求められたり、会社の実態を確認できる資料の提示を求められたりするのはこのためです。

きちんと準備しておかなければ、法人口座の開設に時間がかかるので注意しましょう。一般的に個人口座の開設よりも審査に時間がかかるため、申請してから開設するまでに1〜2週間はかかると考えておいてください。

・金融機関ごとの特徴をチェック

法人口座を開設できる金融機関として、代表的なものは都市銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行です。それぞれの特徴を確認し、会社に合ったものを選びましょう。

まず、都市銀行は三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行などいわゆるメガバンクと呼ばれているものです。取引先からの信頼も高く人気もあります。

しかし、振込手数料が高いことや、法人口座開設の審査が厳しいことがデメリットです。審査が厳しい分、開設できれば信用力が高まるといえます。昔ながらの大手企業との取引がメインの場合や、日本全国にクライアントがいる場合などは、都市銀行の法人口座を検討してみてください。

次に地方銀行ですが、これは北海道銀行や千葉銀行、静岡銀行など地域に根ざして経営を行っている銀行のことです。地方都市で地域密着型の事業をメインに行う場合は、融資や新規事業などの相談に乗ってもらいやすいため、法人口座開設の有力候補といえるでしょう。

都市銀行に比べると審査も通りやすい傾向にあるので、審査が不安な方にもおすすめです。ただし、首都圏での使い勝手は都市銀行に劣るため、注意しましょう。

信用金庫は特定地域の会員の出資によって作られた金融機関です。信用金庫で法人口座を開設するためには、以下の条件をクリアして信金会員になる必要があります。

1.信用金庫の営業地域に居住

2.事業所を所有

3.従業員数が300人以下、または資本金9億円以下(超えたら脱退)

ほかの金融機関に比べると金利が高いというデメリットがありますが、親身になって相談に乗ってくれるため、口座を開設しやすく融資も受けやすいというメリットがあります。

そして最近人気が高まっているネット銀行ですが、有名な銀行ですと楽天銀行やジャパンネット銀行などがあります。事業所を所有していれば法人口座は比較的開設しやすいのがメリット。窓口が存在しないので、対面して融資の相談を受けたい方にはおすすめできませんが、ATMや通帳などがないため手数料が安く、24時間利用可能なのも魅力です。

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まとめ

会社設立後に法人名義の銀行口座を開設すれば、事業の準備は整ったも同然です。開設までに時間がかかるため、登記手続きが完了したらなるべく早く法人口座を開設しましょう。

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