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起業・開業・独立・フランチャイズ・フリーランス…それぞれの違いとは?

はじめに

これから起業を考えて準備をしていくなかで、多くの専門用語に出会うことになるでしょう。言葉の中には耳にしたことがあっても、具体的な意味や違いまでは知らないものもあるという人も多いのではないでしょうか。ここでは、ビジネスを始めるにあたって主に用いられる7つの用語について、分かりやすく解説します。

▼目次

起業・開業・独立は、事業を始める際に用いる言葉

まずは、事業を始めるときに使われる3つの用語「起業」「開業」「独立」についてみていきます。言葉の意味と違いを理解しておくことで、自分が目指したいビジネススタイルがより明確になるでしょう。

・1.起業とは

「起業」とは、一言でいうと「新しく事業を始めること」です。その担い手を「起業家」と呼びます。「創業」も同類語ではありますが、「個人や法人などの形態を問わず、これまでにない新しいジャンルの事業を起こす」という意味合いで「起業」という言葉が用いられることが最近では比較的多くなってきている傾向にあります。「起業する=ベンチャー企業を興す」ことだと連想する人もいるでしょう。

ただし、既存のジャンルの事業を始める際も、「起業する」と表現されるケースがあります。それは起業という言葉の意味合いとして、誰かに雇用されず、自分自身が事業主となってやりたいビジネスに着手する、サービスを提供し、対価として報酬を手にするという行為を継続的に行うこと全般が「起業」とさせているためです。言葉の意味からも連想できるようにビジネスの可能性は無限大で、思い立ったら個人でも簡単に起業できるため、学生や主婦、シニア層の起業家も増加しています。

・2.開業とは

「開業」とは「新しく事業や商売をはじめること」で、「起業」とほぼ同じ意味合いです。ただし、状況によってどちらの言葉が用いられるかが異なります。一般的に、「開業」の場合は店舗などをはじめる際に使われることが多いようです。身近な例では、医師が独立して医院を開設した際も「開業」が用いられます。

・3.独立とは

「独立」にはいくつかの意味がありますが、ビジネスとしては「自分の力で生計を営むこと、自分で事業を営むこと」を意味します。主にこれまで属していた会社や組織を辞めて、同じ職種を自分ではじめる際に用いられ、まったく別のジャンルの事業をはじめる場合は「独立」とは呼ばれません。

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フランチャイズや代理店は、事業形態を指す言葉

続いて、事業形態をあらわすときに使われる「フランチャイズ」と「代理店」について、詳しい意味や違いをみてみましょう。

4.フランチャイズ

コンビニエンスストアや全国チェーンの飲食店が開店する際によく言われている言葉で「フランチャイズ」という用語があります。「フランチャイズ」とは、「人や会社などに特権を与える」という意味の英語です。ビジネスでは、「親企業(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に与える、一定地域内での営業販売権」を意味します。

自分でお店を持ちたいと思っても、経営に関する知識がゼロからスタートするのは、なかなか困難です。店舗の場所を確保することから商品の仕入れに至るまで、個人レベルで確立していくには時間と費用を要します。そんなとき、「フランチャイズ」という事業形態が大きな手助けとなります。

フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部から経営ノウハウやお店のブランド力などを行使する権利が与えられ、代わりにロイヤリティと呼ばれる一定の対価を本部に支払うことになります。これが「フランチャイズ」の仕組みです。すでに店舗を経営していくために必要な要素がパッケージ化されているため、初心者でも店舗が持てるという点が魅力で、コンビニエンスストアやファストフードなどの飲食店、学習塾などに多く用いられています。

5.代理店

「代理店」という用語は業種によって意味合いが多少異なりますが、基本的には商品販売を本社との委託契約によって請け負うことをいいます。「フランチャイズ」と比較されることが多いのですが、フランチャイズは経営のノウハウから商標までを本部から提供され、それらの情報とブランド力を利用して営業します。

対して代理店は、本社であるメーカーから商品の販売だけを請け負います。商品の製造だけで販売ルートを持たないメーカーは多く、幅広く自社製品を販売してもらうために代理店を募集するケースは少なくありません。フランチャイズのように、本社(メーカー)に支払うロイヤリティはありませんが、その分ノウハウなどが与えられないため、すでに十分な知識があり販売経路を確立している人、営業力に自信がある人に向いているといえます。

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個人事業やフリーランスは、事業をしている人を指す言葉

最後に、「個人事業」や「フリーランス」について見てみます。いずれも事業者をあらわした用語ですが、具体的にはどのような人のことをいうのでしょうか。

6.個人事業主(者)

「個人事業主(者)」とは税務上の所得区分です。独立して事業を行っている人のうち、株式会社などの法人設立をしていない個人のことをいいます。

起業や独立を決意したら、個人事業主になるか法人設立をするかが最初の岐路ですが、はじめから大きな利益が見込めないという場合は、まずは個人事業主として手続きをするケースが多くみられます。法人は、さまざまな手続きや諸費用が必要ですが、その分税金面でメリットが多いため、ある程度大きな売上が(=約1,000万円)見込める場合は、法人設立の方が適しているといえます。

個人事業主になるには、税務署に開業届を提出します。手続きとしてはこれだけなので、費用もかからず、誰でも簡単に個人事業主になれます。その後は年に一度、事業の収支を計算して所得税などを申告する「確定申告」が必須となります。

7.フリーランス

「フリーランス」とは、働き方・契約形態の一種です。特定の企業や団体、組織に属さず、個人でさまざまな企業と直接契約をし、自分が持っているスキルや知識などを提供する事業形態を指します。単発の仕事ごとに契約を交わす場合と、長期的な契約を結び、案件ごとに発注書を受諾する場合があります。また、業務内容によっては、守秘義務契約を締結することもあります。

つまり、フリーランスは個人事業主として働くスタイルの1つです。逆に言えば、フリーランスのうち、法人を設立している人以外はすべて個人事業主ということになります。

ライター、デザイナー、エンジニア、イラストレーター、カメラマンなど、フリーランスには数えきれないほどの業種があります。その多くは、パソコンを使って仕事をし、納品する形態のクリエイティブな仕事ですが、最近ではコンサルタントやファイナンシャルプランナーなどの業種でも、フリーランスで活躍している人が増えてきています。

自分の能力次第で仕事量や報酬が大きく上下するフリーランスは、自らのスキルや能力、コミュニケーション力に自信がある人にとっては最適なビジネススタイルといえるでしょう。

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