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個人事業主は事業用口座を開設しよう。口座分けや屋号のメリットを徹底解説

はじめに

個人事業主は開業届を提出するだけでなれるため、会社を設立するよりも手軽に手続きが完了します。それゆえに事業の準備が曖昧になることが多く、特に銀行口座は事業用のものを用意しない人も一定数存在するのが事実です。ここでは、個人事業主が事業用口座を開設すべき理由や屋号のメリットについて説明します。

 

▼目次

 

個人事業主が事業用口座を作るべき理由

複数の銀行口座を管理するのが大変だからと、銀行口座を分けない個人事業主は多いです。事業資金とプライベートのお金を同じ口座で管理することで、複数口座を持つことを避けている方もいるでしょう。

しかし、個人事業主は事業用とプライベート用で銀行口座を分けるべきです。事業用とプライベート用の口座を分けないと、どういうデメリットが生じるか確認しておきましょう。

 

確定申告時に厄介

まず、事業用とプライベート用で銀行口座を分けないと、確定申告のための帳簿付けが非常に面倒です。確定申告は事業の収支を報告するもので、プライベートの支出までは報告不要。

しかし、事業とプライベートの支出が混ざった通帳を使用していると、帳簿をつけるときにどちらの支出か1つ1つ確認しなければなりません。

何の支払いだったかわからなくなることもあるので、帳簿付けに無駄な時間を費やすことになります。事業用とプライベート用で口座を分けておけば、事業に関わる支出がどれかすぐに判明するため、帳簿付けの時間を短縮するとともに正確性を高められるのです。

さらに、事業用口座の通帳は一定期間保管する義務が生じます。もし確定申告に不備があって税務調査が合った場合には、事業用口座の通帳を開示しなければならないのです。

事業用とプライベート用の口座が1つになっていると、プライベートの支出もすべて見せなければいけません。そういう意味でも、事業用とプライベート用の口座を分けておくと安心です。

 

事業資金の流れが見えにくい

また、事業用とプライベート用の口座を1つにしていると、事業に関わるお金の流れが見えにくいというデメリットがあります。

いくら収入を得ていくら経費に使用したかという流れがわからなければ、思わぬ赤字につながることも。金銭管理を厳格にして事業を正確に行うためにも、事業用とプライベート用の銀行口座を分けましょう。

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個人事業主は屋号の入った銀行口座を開設すべき?

屋号を持っている個人事業主は、屋号付きの事業用口座を開設できます。屋号の入った銀行口座を作ると、どんなメリットがあるか確認しておきましょう。

 

1.屋号入り銀行口座で得られるメリット

銀行口座に屋号が入っていると、クライアントに信頼感を与えられます。屋号が入っていれば事業にのみ使用している口座であることがひと目でわかるため、きちんと金銭管理を徹底しているという印象を与えられるのです。

個人事業主は法人よりも社会的信用が高くないため、個人名のみが記載された銀行口座だと相手を不安にさせる可能性もあります。取引を円滑に行うためにも、屋号の入った銀行口座を作っておくのがおすすめです。

 

2.屋号入り銀行口座の開設に必要なもの

屋号入りの銀行口座を開設するのは、通常の個人口座を作るよりもハードルが高いといえます。個人口座は多くの銀行でインターネットによる申し込みを受け付けていますが、屋号付き口座の場合は基本的に窓口に行って申込みをしなければなりません。

さらに、屋号入りの銀行口座は自宅や事務所の最寄りの支店でのみ開設手続きを受け付けています。他の支店では手続きできないので、注意しましょう。

個人口座の開設は最短で即日でも可能ですが、屋号付きの口座開設は1週間ほど時間がかかります。事業内容を確認し、適切であるかどうかを判断しなければならないのです。

屋号入りの銀行口座を開設するためには、多くの場合以下の書類が必要になります。

・本人確認書類

・開業届

・印鑑

・屋号確認資料

開設のために窓口へ行く際には、上記のほかに名刺や事業内容がわかる資料を持っていくのがおすすめです。きちんと事業を行っていることが証明できれば、スムーズに口座を開設できます。

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個人事業主の事業用口座を開設できる銀行

基本的にはメガバンク(都市銀行)や地方銀行、ネット銀行など、いずれの銀行でも屋号付きの銀行口座を開設できます。それぞれの特徴を確認し、自身に合うと思うものを選びましょう。

 

1.メガバンク

メガバンクの魅力はなんといっても、安心感の高さです。誰もが知っている都市銀行は、信頼性が高く取引先に安心感を与えられます。実店舗があるので対面して相談できるのも特長です。首都圏であれば店舗数も多く、使い勝手がよいこともポイント。

一方、近年増えてきたオンラインでの取引に弱いというデメリットがあります。Webを中心に事業を行う場合は、オンラインの弱さが足かせになることも。また、振込手数料やATM利用手数料が高めに設定されているため、出費がかさむのも欠点です。

 

2.地方銀行

地方銀行は地域に根ざした経営を行う銀行なので、地方都市で事業を行う場合におすすめといえます。

地方に実店舗があるので対面で相談しやすく、地域の方に安心感を与えられるのもメリットです。

しかし、首都圏にいる場合は使い勝手があまりよくないといえます。また、ネット銀行に比べると振込手数料やATM手数料が高いこともデメリットといえるでしょう。

 

3.ネット銀行

ネット銀行は自宅からパソコンやスマホを使って申し込みが完結することがメリットです。口座開設だけでなく、通常の取引もオンライン上で行えるので、Web上での取引がメインとなる個人事業主の方におすすめといえます。

また、振込手数料やATM手数料がほかの銀行よりも安く設定されていることも魅力です。手軽さと安さを重視するのであれば、ネット銀行が最適な選択肢といえます。

一方、実店舗が存在しないことがデメリットだと感じる方もいるでしょう。わからないことがあった場合にすぐ窓口へ駆け込むことができないため、煩わしく思う方もいるはずです。

Web上での取引に慣れていない方にとっては、使いにくいかもしれません。

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まとめ

個人事業主として事業を行うのであれば、屋号付きの事業用口座を開設するのがおすすめです。社会的信用を高めて取引相手に安心感を与えられるとともに、適切な事業管理にもつながります。

好みの銀行で屋号付き口座を開設し、円滑に事業を行いましょう。

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