起業しやすいビジネスってどんなもの?ローリスク/ハイリスクに分けて紹介
はじめに
21世紀に入ってからインターネットが爆発的に普及し、今や「何でもビジネスになる」とまで言われるような時代となりました。しかし、誰もが簡単に起業できるようになったとはいえ、どんなビジネスモデルを選択するかによって、リスクの高さは変わってきます。そこで今回は、リスクという観点から「起業しやすいビジネス」とはどんなものなのか考えてみましょう。
▼目次
起業しやすいビジネスのジャンルとは?
「起業しやすいビジネス」と聞いて多くの人がイメージするものは何でしょうか。たとえば「フランチャイズ」や「販売代理店」などがすぐに思い浮かぶかもしれません。どちらもブランド力や経営ノウハウがすでに確立されており、また様々なサポート体制が充実しているケースが多く、自分自身は何も経験がないとしても、比較的始めやすいビジネスと一般的には認知されています。
また、スピーディーにスタートを切れる起業の方法としては、インターネットを活用するビジネスも人気です。インターネットは、いつでも・どこでも・誰でも使える有効なツールです。実際に事務所や店舗を構えなくても、パソコンとサーバー、そしてアイデアさえあれば、自宅でもすぐに起業家となることができます。
さらには、これまでのキャリアで得た知識・スキル・経験などを活かして、専門分野でコンサルティング業をスタートさせる、という道もあるでしょう。ひとことでコンサルティングを仕事にすると言っても、経営コンサル、キャリアコンサルといった企業向けのものから、恋愛コンサル、お掃除コンサルといった心理学や趣味などを活かした個人向けのコンサルティングものまで、その種類は実にさまざまです。アドバンテージの高い自分の得意分野を選べることが、大きなポイントといえます。
ローリスクなもの、ハイリスクなものがある
起業をする場合、始めやすいかどうかを重視する方も多いかもしれませんが、一方で「リスクが高いのか低いのか」という観点も非常に重要になってきます。実際、起業しやすいビジネスの中でも、ローリスクなものとハイリスクなものがあります。
たとえば、いくら「フランチャイズなら最初からなんでも揃っているとから安心」といっても、開業資金にまず100万円かかるとしたら、これは決してローリスクな起業とは言えません。加えてその業種が飲食店にせよコンビニにせよ塾にせよ、すでにライバルも多いレッドオーシャンに後発組として参入することになります。したがって、始めやすいからと言って、リスクが低く成功確率が高いとは一概にはいえません。
では次から、実際にハイリスクなビジネスとローリスクなビジネスについて見ていきましょう。
ハイリスクなビジネスアイデアとは
まず、初期投資が大きくなるビジネスは初心者向きとは言い難いでしょう。自分の貯金を切り崩して何とかなるレベルならまだしも、はじめから数百万円単位で借金をつくって起業するのはリスキーであるといわざるを得ません。また、長い準備期間が必要になるジャンルや、結果がついてくるまでに非常に長い時間がかかるものも、ローリスクなものとしておすすめすることはできません。さらに、万が一の失敗する可能性を考慮すると、リカバリーしにくいビジネスにも手を出さないほうが無難といえます。具体例を挙げると、以下のようなビジネスはリスクが高いと考えられます。
1.食店などの店舗経営
たとえば飲食店を開く場合、「どんなコンセプトのお店を、どこに構えるか、客単価はいくらに設定するのか、メニューの中身は…」といったように、始めるまでに考えるべきこと、決めるべきことがたくさんあります。さらに必ず店舗を持たなければならないビジネスモデルにおいては、基本的に店舗に関しての賃貸契約が必須となります。つまり、それだけ初期投資および維持費がかかることになります。また、ようやくオープンにまでこぎ着けたとしても人が入らなければ、赤字が膨らむばかり。リカバリーもきかないビジネスのため、よほど最初にリサーチや集客に力を入れておかなければ、痛い目を見ることになる可能性も高くなってしまうでしょう。
2.パソコン、ネイルなどの教室運営
自分の趣味や特技を活かして教室を開く、というのも起業の王道パターンの1つです。自宅でもできて、大がかりな機材や道具が不要な英会話教室などは比較的スタートしやすいと言えます。しかし、たとえばパソコン教室は、規模にもよりますがまず教室の場所を確保し、それからパソコンを数十台もリースしなければなりません。他にもネイルなどの教室を運営する場合も、機材などが必要になります。「教室」といっても、大量の教材などが必要になる場合はハイリスクなビジネスです。しかも、「十分なお金をかけて準備したのに、いざ始めてみると集客できなかった」と仮になってしまった場合、リカバリーをするのはなかなかに難しいでしょう。
3.メーカー、販売代理店など
自分で作ったものや、仕入れたものを売るといった、典型的なフロービジネス(モノが売れた分だけ売上になる、単発型のビジネス)も、初心者の起業には向いていないかもしれません。売れば売るほど利益が出る、というのは確かに魅力的ではありますが、逆に売れないと利益がでないというリスクを持っています。商品が思うように売れないと、在庫ばかりが膨らんでいき、初期投資の回収すらできません。また、1回売れば終わり、という商材の場合は、常に自転車操業になってしまいます。
ローリスクなビジネスアイデアとは
では反対に、ローリスクなビジネスとはどういったものがあるのでしょうか。まず、「初期投資にお金がかからない」、「ビジネスを立ち上げるまでの準備期間が短い」という2点が非常に大切になってきます。なぜなら、万が一失敗した際にもリカバリーがききやすいからです。
また、1回売れば終わりの「フロービジネス」ではなく、継続的に収入が入ってくる「ストックビジネス」を選ぶことをおすすめします。ローリスクなビジネスアイデア例として、次のものが挙げられます。
1.コーチング、カウンセリング、コンサルティングなどの相談業
専門知識・スキル・経験を持っていればその身1つですぐに始められるのが、コンサルタントやカウンセラー、コーチといった相談業です。事務所を構えずとも自宅やカフェなどで営業ができますし、Skypeやチャットを使ってオンラインで行うこともできます。また、こうした業種には「顧客をファン化しやすい」、「継続してもらいやすい」という特徴があり、ストックビジネスとしてもかなり優秀です。万が一うまくいかなかったとしても、カウンセリングやセッションの内容を見直して改善していけば良いので、比較的リカバリーもききやすいと言えます。
2.ECショップ経営
今、サラリーマンの週末起業などでも注目を集めているのが、インターネットビジネスです。実際の事務所や店舗を構える必要がなく、インターネット上だけでビジネスを成立させられるため、初期投資も抑え、スムーズに起業をすることができます。その中でも特に始めやすいものの1つが、ECショップ(ECサイト)の運営。ネットショッピングで利益を得ていくスタイルのためストックビジネスとは言えませんが、店舗や在庫を抱えないで済むことや顧客や見込み客のデータを収集でき、マーケティングや販売戦略の立案がしやすいことも大きなメリットです。
3.Webサービスやコンテンツの提供
「こんなコンテンツがあったら面白いのに」、「こんなサービスがあったら世の中がもっと便利になるのに」といった自分のアイデアをビジネスとして売り出しやすいのが、Webサービスやコンテンツの提供で売上を立てる方法です。こちらも基本的にはパソコンさえあれば実現が可能です。ITやWebのスキルをすでに持っている人であれば、特にローリスクで始めやすいビジネスだと言えるでしょう。また、「アイデアはあるけど、自分だけでは起業できない」という場合は、オンラインサロンなどで仲間を募って始めるのも1つの手です。
自分の企業イメージに合ったビジネスを厳選しよう
ここまで代表的なハイリスク・ローリスクなビジネスアイデアをご紹介してきましたが、やはり最終的に大切なことは「自分に合ったビジネスを選ぶ」ことです。すでに自分が持っている知識、スキル、資格、経験はもちろん、趣味や好きなこと、人脈なども起業する際にどんなビジネスがいいのかを判断する時の材料となり得ます。
いまや、ビジネスモデルを選べば経済的なリスクはほとんどゼロで起業が可能な時代。あとは「自分がしっかりと熱量を持ってやりたいと思えるか」、「その熱量を長期間持続できるか」が重要になってくるでしょう。リスクの高さは1つの検討材料として捉えつつ、ぜひあなた自身が本当にやりたいことをじっくり考えてみてください。