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「行っただけで満足」はNG!本当に参加すべき意義ある起業セミナーの見分け方

はじめに

独立や起業を考えたことがある方なら、一度は起業セミナーに参加したことがあるという方もいるかもしれません。業界動向を正しく把握したり、起業経験者の体験談を聞いたり、参加者同士で情報交換できたりすることも大きなメリットです。一方で、世の中には多くの起業セミナーが存在していますので、自分に合ったセミナーを見極める必要があります。

▼目次

起業セミナーとは、そもそも何?

そもそも起業セミナーとはなにをおこなっているものなのでしょうか。厳密な定義があるわけではないので「起業を考えている方にとって必要な情報や役立つコンテンツを発信しているもの」という認識で問題ないと思います。。起業の際には知らなければならないことや、知っておいた方がいいことが数多くあり、その分起業セミナーも数多く開催されています。例えば、会社を設立するにあたり必要な定款作成や各種書類手続きを教えてくれるセミナー、事業計画書の作成やビジネスプランの組み立て方を教えてくれるセミナー、起業にあたっての心構えや人脈作り、営業ノウハウを教えてくれるセミナーなどがあります。

上記であげているように起業セミナーといってもたくさんの種類がありますし、起業する業種独自に必要な知識なども含めるとその数は膨大になります。当然すべてのセミナーに参加することは現実的に考えて難しいですし、世の中の成功した経営者が必ずしも起業セミナーに行っていたというわけではありません。大切なのは自分にとって必要な情報とは何なのか、逆に何が不足している知識なのかを見極めることです、それを踏まえた上で自分に足りない情報や知識を補うためにセミナーに参加すると有意義な時間を過ごすことができるでしょう。

起業セミナーの種類

では具体的に、代表的な起業セミナーの種類とその特徴を見ていきましょう。

1.会社設立手続きに関するセミナー

フリーランスではなく法人として起業するためには、会社設立手続きが必要不可欠です。社会人経験が豊富な方であっても、金融業界や事業投資部門などに所属していた方でない限り、ほとんどの方が未経験なのがこの会社設立手続きでしょう。資本金はどうやって決めるのか、会社の定款はどうやって作成するのか、必要な書類は何か、またその書類はどこに届けるのかなど、考えなければなない範囲は非常に広いです。ここをきちんと知っておかないと設立後に無駄な費用が発生したり、あとでトラブルになったりするなどのリスクがあるため、きちんと勉強する必要があります。専門用語も多く自分ひとりで勉強するのは時間的に精神的にも厳しいという方は、セミナーでまとめて学習してしまうことも1つの手段として考えておいたほうがよいかと思います。

2.事業計画書やビジネスプラン作成に関するセミナー

会社を作ったとしても、事業計画が決まっていなければ会社を継続していくことはできません。定款を考える上でも自分が設立する会社がどういう事業を手がけるのかは、はじめの段階できちんと考えておく必要があります。資金調達や融資を受けるためにも、事業計画書は必須になります。とはいえいざ事業計画書を作ろうとしても、経験がなければ難しいのも事実。そういう方は事業計画書やビジネスプラン作成に関するセミナーに参加すると良いでしょう。

また、会社経営や事業計画に正解はありません。形式的な作成方法ももちろん重要ですが、もう1つ大切なのは他の経営者の体験・経験に基づいたノウハウを学び、さまざまな経営手法を知ることです。昨今では経験豊富な経営者が自らのノウハウを若手経営者に教えてくれるセミナーや講演もありますので、そういったものに参加してみることも有意義なものとなるでしょう。

3.資金調達や融資、補助金などを受けるためのセミナー

近年の起業ブームの背景には、大手の民間企業や大学による投資育成プログラムの充実、自治体による創業支援の取り組みの充実などがあります。銀行からの融資を受ける以外にも資金調達の手法は多様化していますし、自治体による補助金・助成金なども充実しています。自治体からの補助金・助成金は、賢く利用すれば会社経営に必要な費用を削減することにもつながります。そのほかにも、クラウドファンディングを活用して一般消費者から資金を調達することや、ICO(Initial Coin Offering)のように仮想通貨によって資金を調達する手段も可能になりつつあります。

4.営業、人脈作りに関するセミナー

無事に会社が設立できたとしても、最初に必要になってくるのはやはり営業活動による顧客獲得や自分が展開する事業にかかわる人脈を作っていくことです。起業セミナーの中には、こうした営業ノウハウや人脈作りを支援するものもありますので、うまく活用するとかなり有効なものになり得ます。座学での学習に限らず、人脈作りを目的とした交流会形式のセミナーもたくさんあります。

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こんな起業セミナーは要注意

起業セミナーは自分の知識や経験を補うためにうまく活用すると有益ですが、一方で自分にとってはあまりメリットのないセミナーも多くあるので注意が必要です。起業セミナー自体も主催者にとっては1つの事業であるということをよく認識しておくべきでしょう。高額の受講料を払ってもあまり得るものがない…ということも可能性としては考えられますので、そのセミナーが自分にとって本当にためになるものなのかどうか、しっかりと見極めることが必要となります。ここではいくつか気をつけておくべきセミナーの特徴を紹介していきます。

1.「絶対に」、「あなただけ」といった断定的、限定的な表現が多用されているセミナー

「絶対に成功する」「あなただけに伝授」などのように、断定的・限定的な表現が多用されているセミナーには注意が必要です。アイデアに行き詰るとこうした言葉の誘惑に負けたくなってしまう部分もあるかもしれませんが、絶対に成功する起業方法などありませんので、こうした宣伝色の強いセミナーには注意した方が良いでしょう。

2.参加者がいつも変わらないセミナー

これも要注意なセミナーの特徴の1つです。起業や起業後の事業運営のノウハウを学ぶことが起業セミナーの目的であることにもかかわらず、毎回参加者が同じというのは、学ぶことがあまりない、もしくは役に立つことが少ないことの裏返しと考えられます。

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質のよい起業セミナーの特徴

では逆に、質の高い起業セミナーとは一体どういうものなのでしょうか。これまで述べてきたとおり、セミナーを受けるにあたり大切なのは自分の足りない経験や知識を補うことですので、それを実現できるようなセミナーが理想的な、質の高いセミナーであるといえるでしょう。

1.専門家が講師を務めている

起業セミナーを選ぶ上で重要なのは、主催者もしくは講師が専門家であるということです。会社設立手続きにかかわるものであれば、行政書士や弁護士等の国家資格を持つ士業の方が講師を務めるセミナーが有益です。資金繰りや融資についての内容であれば金融機関やベンチャーキャピタル、補助金については自治体など、内容に合わせた専門性を持った方が講師を務めていたり、主催者になっていたりするセミナーに参加することをおすすめします。

2.過去の参加者が成功している

また、そのセミナーが実績のあるものかどうか、ということも大事なポイントです。セミナーに参加した方がどういう事業で成功したのかを事前に確認すると良いでしょう。できるだけ、自分が考えている事業領域に近い成功事例のあるセミナーを選ぶことが大切だといえます。もしくは自分のまわりにいる経営者に、どういうセミナーに参加したかを聞いてみることも良いかもしれません。

大切なのは、“起業セミナーに参加すること”ではなく、“起業セミナーに参加したことによって身に着けた知識や人脈を活かして経営者として成功すること”です。起業セミナーはそのための手段の1つに過ぎないことを理解し、自分の目で判断して参加するようにしましょう。

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