公開日: (更新日:

【女性起業家向け】会社設立時に受けられる支援とは

はじめに

共働き夫婦の割合は年々増えてきており、女性が生涯を通じて働くということも最近では決して珍しいことではなくなってきています。こうした流れを受けて、女性が起業を希望する傾向も年々高くなってきています。支援策の中には女性だからこそ受けられるものもさまざまあります。これらの情報を見逃すことなく、上手に利用をしていきましょう。

▼目次

なぜ女性向けの起業支援があるのか?

“女性活躍推進”という言葉が最近よくいわれるようになってきていますが、それはなぜでしょう。
理由としては日本が国を挙げて女性が活躍できるための法整備やさまざまな施策を打ち出しているから、ということになるのですが、その流れは世界的なものでG7サミットの首脳宣言でも盛り込まれている内容となっています。

・国レベルではなく、世界的な流れで女性起業支援が推進されている

2015年のG7エルマウ・サミットにおいて、女性起業支援促進に関するG7原則及び女性に関するG7作業部会の創設が合意されているように、女性のエンパワーメントは世界的な課題となっています。自ら事業を運営する女性が男性に比べて非常に少ないという実情から、女児及び女性に早期段階から起業家となる可能性を認識させたり、新世代の女性創業者の模範として成功した女性起業家の注目度を高めたりするような施策の奨励や措置の策定などを原則として掲げています。

また、日本では2016年に女性活躍推進法が施行され、女性社員の定着・活躍に取り組む企業も増えてきています。女性活躍推進法は「働く場面で活躍したいという希望を持つすべての女性が、その個性と能力を十分に発揮できる社会を実現するため」と目標が掲げられた法律で、その法律を受けて企業は、女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に役立つ情報の公表を義務付けられることとなりました。

これから人口が減少していく日本社会にとっては、女性も主力の労働力として確保していく必要があるということが、経済活性化のためにも重視されています。

・女性固有の起業課題が挙げられる

女性の起業に絞って考えてみると、一般的にはまだまだ男性に比べてビジネス経験が乏しかったり、身近にロールモデルとなる人や相談相手もいなかったり、仕事と家庭の両立に悩んだりといった、女性だからこそ出てくる課題が挙げられます。これらの悩みをクリアにして起業への後押しをしようということから、さまざまな支援策が用意されているといえるかもしれません。出産や育児というライフイベントをきっかけに、勤めている会社から離れてしまう傾向がある女性としては、自分で働き方をアレンジしたり、自宅で仕事ができたり、時間配分も自由にできたりするとなれば、起業という選択肢も現実的なものに感じられるはずです。また実際に先輩起業家がどういうふうに起業をして現在に至るのかを聞いたり、金利が優遇された融資を受けたりできれば、起業が身近なものとして考えられやすくなるかもしれません。

目次へ

女性だから受けられる、起業支援のための施策

そんな社会の流れのなか、女性が「頑張ってみよう」と思えるような、女性のための支援や優遇措置があります。身近なところでは、さまざまなイベントや個別相談、交流会などが随時開催されていますし、創業が決まれば特別金利の融資も受けられます。

1.女性起業家を支援するポータルサイト「わたしの起業応援net」

まずは手軽に見つけられるweb上の支援として「わたしの起業応援 net」があります。「わたしの起業応援 net」は、経済産業省の女性起業家等支援ネットワーク構築事業の一環としてつくられたポータルサイトで、起業するまでのサポートはもちろん、起業してからの支援も紹介しています。まずは、ここで実際に起業した人たちのいきさつやきっかけ、体験談を読んでみることで、自分の起業についてのアイデアや計画を膨らませることができるかもしれません。また、住んでいる地域のサポートメニューやイベント、セミナーを検索することができるため、あらゆる支援の入り口としてまずこのサイトを活用するとよいでしょう。

2.女性、若者/シニア起業家支援資金

100%政府出資の政策金融機関である日本政策金融公庫が提供する融資制度で、別名『新企業育成貸付』とも呼ばれます。女性または35歳未満か55歳以上の人で、新たに事業を始めるか事業開始後約7年以内の人を対象にしており、運転資金や設備資金、土地取得資金などにあてることができます。 “起業支援”という観点からの融資制度のため、民間の銀行から融資を受けるよりも借りやすく、かつ金利も優遇されたものとなるので、当面の運転資金や設備資金を必要としているなら、まずは相談してみるのが得策です。「国民生活事業」においては、融資限度額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)ですが、起業の規模が大きい人には「中小企業事業」による融資も用意されています。

3.新創業融資制度と女性の小口創業特例

上記で紹介した日本政策金融公庫の融資制度を利用する際に、新たに事業を始める人や創業後2期を超えていない人を対象に、無担保・無保証人で融資を行う特例措置として『新創業融資制度』というものがあります。つまり、上の『女性、若者/シニア起業家支援資金』を融資してもらう人で、創業2年未満の人であればこの特例措置が適用されるということになります。雇用の創出を伴う事業であること、経済活性化につながる事業であること、創業予定の業種の企業での勤務経験を持つことなどが、対象要件となっています。ただ、この対象要件に限らない『女性の小口創業特例』というものがあり、自分の経験とは全く違った新しいビジネスをひらめいた時などには、この特例を適用させて融資を受けることもできます。『小口』という言葉が差すとおり、貸付限度が300万円となりますが、取り急ぎの運転資金としてはこれで十分、という人もいるはずです。

4.各地方自治体の女性起業支援貸付や補助金

ほかにも、県や市などが独自に女性の起業を支援する補助金や助成金、貸付などをおこなっている場合も多くあります。募集のタイミングなどがそれぞれのため、検索しても何も見つからない時期などもあるかもしれませんが、こまめにチェックをしていると、自身の条件に当てはまる制度が見つかる可能性もあります。
また、中小機構が運営する中小企業ビジネス支援サイト『J-Net21』では、女性支援制度や公募を検索することもできます。フリーワードで「女性 起業」などを入力し、地域などを選択すれば、何かぴったりのものがヒットするかもしれません。

目次へ

民間の女性起業家支援施策もある

ほかにも公共団体にかかわらず、民間の団体や企業が、さまざまな女性起業家たちの支援をおこなっていますが、目立つのは、女性向けのビジネスコンテストやコンペでしょう。
日本商工会議所女性会連合会は、『女性起業家大賞』を毎年実施、創業・経営革新に取り組む創業期(創業~10年未満)の事業を成功させている女性起業家を表彰しています。
サイト:「http://joseikai.jcci.or.jp/kigyoka/2017/oubo.html」

また、日本政策投資銀行が行っている『女性新ビジネスプランコンペティション』は、革新性や事業性に優れ、発展可能性の高い新ビジネスを対象としたコンペで、受賞者には最大1,000万円の事業奨励金が支給されるという、スケールの大きさが魅力です。
サイト:「https://www.jeri.or.jp/wec/competition/」

やはりこれらのコンテストやコンペで求められるキーワードは「革新性」、「事業性」に優れていること、「発展可能性」が高いこと、などで、いかに事業が優れているか、人を驚かせられるかがポイントのようです。
ほかにも、コンペだけでなく、起業のプランづくりや学びのサポートなども提供されているので、下記サイトなどからチェックしたり、検索エンジンでキーワード検索をしたりして、自分に合った支援を探してみてください。
サイト:「http://www.gender.go.jp/kaigi/renkei/team/kigyo/kigyo04.html」

目次へ

女性の強みと輝きで、起業を目指そう

まだまだ日本の『働く』現場は男性が中心になっているのが現実です。反対に言えば、家事や育児を主導しているのは、まだまだ女性がほとんどという状況もあるでしょう。しかし、女性ならではの視点から生まれるビジネスは必ずあります。
いまでは自分のライフスタイルに合った起業やビジネスを立ち上げることも可能です。まずはweb上で先人たちの体験を知ることからでも、自分の中で何かが変わるかもしれません。また、具体的に起業をするということであれば、女性が優遇される特別な融資やサポートもあるのですから、それらを活用しない手はないでしょう。
『女性』であることを強みにして、『女性』だからこそできるビジネスを始めてみませんか?

LINE友だち追加
PC用のフローティングバナー