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起業前の準備で必要なのは?独立後の生活安定のためにしておくべき5つのこと

はじめに

起業や独立を決意したら、一番不安なのは生活が安定するかどうかではないでしょうか。起業や独立をするためには思っている以上に多くの準備が必要ですが、滞りなく準備を進めたつもりでも、いざ起業・独立後に思わぬ事態が生じて、生活不安に陥ってしまうことは誰にでも起こりうる可能性があるといえます。そこで今回は、起業後に見落としがちな点や陥りがちな生活不安から、起業前に準備しておくべき点についてみていきます。

▼目次

起業・独立・開業「後」に見落としがちなこと

事業を継続していくことは、起業するよりも遥かに難しく、起業前には想定もしていなかった問題点に直面することも少なくありません。そうした問題の大多数は「お金」に関することではないでしょうか。

・資金面の問題

十分な自己資金を用意していた場合でも、起業当初は思うように売上が伸びず、資金繰りに困窮することは決して珍しいことではありません。なかでも、開業時のコストばかりに目が行き、本当に必要な運転資金を考慮していなかったということにもしなってしまったら深刻です。家賃や光熱費、スタッフを雇っている場合は人件費が毎月必要となります。必ず月々の運転資金を算出しておき、加えてもしもの事態に対応できるよう予備金も準備しておきましょう。

・資金面以外の問題

資金以外では税金に関することが問題となっているケースも多くみられます。そして税金以上に大きな負担となるのが社会保険です。法人及び5人以上の従業員を持つ個人事業主は、原則として社会保険に加入する義務があります。事前にしっかりとリサーチをし、どの段階で加入すべきなのかも含めて慎重に検討しましょう。
また個人で起業した場合、事業が拡大するにつれ次第に一人では対応しきれなくなってきます。いずれは手一杯となり、本来獲得できるはずの機会を損失してしまう可能性も高まってくるため、早い段階で外部の協力者を見つけておくと安心でしょう。

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前準備を怠ると陥りがちな「生活不安」

綿密な前準備をもってしても、起業した後にも多くの点で生活不安に陥ってしまうことがあります。ビジネスが思い描いたように進められるか、収入は得られるか、老後の生活まで保証できるかなどが大きな不安点として挙げられますが、いずれの場合も結局は「お金」に関する問題にいきつくといえます。

そのため、起業してからしばらく収入がない期間があることを想定し、最低でも半年、できれば1年間は無収入でも暮らしていけるだけの資金を蓄えておくことが望ましいでしょう。ここで重要なのが、単にお金を貯めておけばいいというわけではなく、毎月一定額を通帳に記載しておくことです。起業時に、日本政策金融公庫の創業融資制度を利用したいと考える人は多いですが、審査の際は起業前1年間の個人通帳の提出が求められます。税金の滞納や借金などはもちろん、起業用資金をコツコツと継続的に貯めていたか否かが審査に影響するということを覚えておくとよいでしょう。

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生活不安を回避するために必要な前準備

では、起業後に生活不安に陥らないために、事前にどのような準備をしておくべきなのでしょうか。具体的な3つのポイントをみていきたいと思います。

・あらゆるコストの見直し・クレジットカードの作成

起業にはさまざまな初期コストや毎月の運転資金が必要なことはこれまでご紹介してきた通りですが、起業の前段階からあらゆるコストを削減・見直しておくことは重要です。

家賃や光熱費などの固定費のなかでも、通信費の見直しは必須です。自宅を作業場にするという手段もコスト削減の策としてはひとつありだといえます。また家賃や光熱費は家事按分として経費に計上することもできます。自宅を利用するのが難しい場合は、レンタルオフィスなども選択肢としてあります。最近では、起業した人たちもコワーキングスペースもよく利用しています。なかには起業支援として、住所を借りて連絡先とできるヴァーチャルオフィスの形態を提供しているところもあるため、うまく活用していきましょう。

また、独立後は新規のクレジットカード審査が通りにくくなります。個人用のクレジットカードをビジネスで使用すると帳簿面でも複雑になりますので、事業用のクレジットカードは事前に複数枚作成しておくといいでしょう。

・多岐にわたる人脈形成

起業後の事業を成功させるうえで欠かせないのが、周囲の人のサポートです。そのため、起業前から積極的にネットワークを広げておきましょう。自分が起業する分野とは異なる業種の人でも、将来的にビジネス提携できるかもしれません。また、知人を介して事業を紹介してもらえるケースも多々あります。まったく新しい業種にチャレンジする場合でも、起業前に作ったネットワークは大切にすべきであるといえます。

また起業セミナーなどに積極的に参加するのもよいでしょう。経営に関するノウハウや成功者の事例などが情報収集できると同時に、同じ起業仲間を増やすこともできます。起業すると、雇用されていたときよりも孤独になりやすい傾向があるので、常に刺激し合い、高め合えるライバルのような同志がいることは、ビジネスを進めていくうえで励みにもなります。

人との関わりという点では、家族との関係性も忘れてはいけません。家庭を持っている場合の起業は、独身時代よりも生活面でのハードルがさらに高く、生活不安に陥りやすい傾向があります。自分の事業に協力してもらえるような体制を家庭内でも構築しておくことが、起業後に活きてくるでしょう。

・複数の戦略プランを用意しておく

「これは絶対にうまくいく!」と思っていた戦略でも、思いのほか成果が出ないということも少なくはありません。満足のいく結果を出すには時間を要することもあります。そんなときのために、軸となる方針とは別で第2第3の戦略プランを準備しておきましょう。

世の中の流れや市場は常に流動的ですので、特定の仕入先や顧客のみを視野に入れていると、急な市場の変化に対応することができません。いかなる事態が起きても臨機応変に応じていくため、複数の戦略プランを用意しておくことが大切です。

また新たな顧客獲得には、SNSなどのITツールを活用することも重要です。FacebookやTwitter、Instagramなどを事業としてうまく利用できると、集客の幅を広げることができます。またフリーランスとして自分のスキルを武器にビジネスを進める場合であっても、ホームページなどで自分の活動を公開・発信していくことで、新しい仕事を手にすることのできる可能性は高くなります。

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仕事や事業の安定には、メンタルの安定も重要

事業を安定して展開していくためには、生活自体が安定していることはとても重要です。安定した生活というとどうしても資金面に目が行きがちですが、たとえば家庭内での安定や健康の維持もそのひとつです。周りのサポートがあり、精神的に落ち着いて余裕がある状態の方が新たな事業のアイデアも浮かびやすく、良い方向に進みやすいもの。家族の存在、仲間の存在を大切にすることを忘れずに、起業に向け準備を進めていきましょう。

一人で起業する場合は特に、何もかも自分だけですべておこなうのではなく、専門家や外部に任せられる部分は任せる、と割り切ることも必要です。多少の費用はかかりますが、自分自身の精神的・肉体的な負担を減らしてくれます。また、一人では知り得なかった情報が得られるかもしれません。オーバーワークは結果的に身を滅ぼすことにもなりますので、十分に注意しましょう。

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