創業支援等事業者補助金とは?起業する人が利用できる補助金まとめ
創業・起業する際にはさまざまな費用がかかることから多額の資金が必要です。
そのため、利用できる補助金の申請を検討するのもひとつの方法といえます。補助金は利用できる条件があったり、申請期限があったりするため、あらかじめ情報収集しておくことが重要です。
そこで、本記事では創業支援等事業者補助金をはじめ、創業・起業する際に利用できる補助金について9種類解説します。
この記事はこんな方におすすめです
- 創業支援等事業者補助金について知りたい
- 助成金や融資との違いが知りたい
- 起業・創業する人が利用できる補助金が知りたい
目次
1.補助金とは?助成金や融資とはどう違う?
そもそも、補助金とはどのようなものなのでしょうか。助成金や融資との違いについても解説します。
補助金とは
補助金は経済産業省や地方自治体が実施しているものが多いです。
返済不要なものですが、受給枠は多くありません。財源が税金になっているからです。
そのため、受給難易度は高いといえるでしょう。申請期間は短いため、早めに必要書類などの用意をしておく必要があります。
申請後に審査が行われ、そちらに通過後、枠が空いていれば受給することが可能です。
補助金は申請後の審査に通過すると、交付が決定します。
提出した計画書通りに事業を実施し、完了後に報告書を提出しなければなりません。報告書に不備がなければ補助金が支給されるという流れです。
このように、補助金は申請から受給できるまでは一定期間待たなければなりません。また、受給できる補助金は事業に必要な費用の一部のみという場合もあります。
助成金との違い
助成金は、厚生労働省が実施している給付が多く、財源は雇用保険料です。
「一定条件を満たしている」「申請期限内」の2つをクリアしていれば、受給できる可能性が高いといえます。
一般的に、申請期間が長いです。助成金を受給するまでの流れは、まず実施計画を申請後に実際に計画を実行します。
その後、支給の申請をすると受給することが可能です。
助成金を申請するには、雇用保険に加入している従業員が最低1名いることや労働関連法規に違反しないことなどが挙げられます。
注意事項
人気がある助成金は申請期間内であっても早めに締め切られているケースがあるので注意しましょう。
融資との違い
融資はあくまでも借入で、決められた期限までに返済しなければなりません。
この点は、返済不要である補助金や助成金とは異なる部分です。起業時に民間銀行から融資を受けるのは厳しい面があります。
そのため、公的融資と呼ばれている日本政策金融公庫や地方自治体などから受けるケースが少なくありません。公的融資は民間融資と比較して審査の壁は低めであるといわれています。
しかし、提出書類が多いので、早めに書類の準備をはじめなくてはなりません。また、保証人や担保が必要なケースが多いので、保証人にはあらかじめ話しておく必要があるでしょう。
融資はまず必要書類を揃えて、必要に応じて事業計画書も作成します。
面談と審査があり、審査に通過して融資の契約を終えると指定口座に入金されるという流れです。
創業支援等事業者補助金とは?
創業支援等事業者補助金とは、創業支援事業を行っている民間事業者の取り組みをサポートするためのものです。
経済産業省が実施しており、新たに雇用をしたり、地域を活性化させたりするのが目的となっています。
注意事項
創業支援等事業者補助金が起業する人向けの補助金ではなく、あくまでも創業支援事業を行っている民間事業者向けであることです。
こちらの補助金を受け取るためには、自治体(市区町村)と連携して取り組まなければなりません。
受給する条件
- 創業支援事業計画(産業競争力強化法の認定済)に基づいた事業に取り組んでいること
- 特定創業支援等事業あるいは創業機運醸成事業を行っていること
まずは創業支援等事業計画の法律認定を受け、認定後に創業支援等事業者補助金の申請を行いましょう。審査後に交付が決定したら補助事業を実施します。
事業計画書に沿って補助事業を実施後に補助金の交付申請をすることで受給可能です。
起業・創業する人が利用できる補助金9選!
創業支援等事業者補助金は創業支援をする企業向けの補助金です。
こちらでは、起業・創業する人が利用できる補助金を9種類紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は全国商工会連合会が実施しています。
こちらは小規模事業者が制度変更などに伴って経営計画を作成し、それに基づいて販路開拓をするためにかかる費用の一部をサポートしてもらえる補助金です。
費用とは、たとえば、広告掲載費や店舗改装費などが挙げられます。
補助されるのは?
- 経費のうち3分の2(上限は50~200万円)までとなっています。
ただ、インボイス特例の条件を満たしている場合は、さらに50万円上乗せされた金額を受給することが可能です。
小規模事業者持続化補助金を申請する際には経営計画書や補助事業計画書を作成し、提出しなければなりません。
対象となっているのは常時使用している従業員数が5人以下の「商業・サービス業」、20人以下の「宿泊業・娯楽業」や「製造業そのほか」です。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、業務の効率化を目的としてITツールやクラウドシステムなどを導入する費用を補助します。
通常枠(A・B類枠)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の3種類です。
補助率や限度額は申し込む枠によって異なります。
通常枠とセキュリティ対策推進枠の補助率は2分の1、デジタル化基盤導入枠の補助率は4分の3以内もしくは3分の2以内です。
また、補助額は通常枠のA類枠が5~150万円未満、B類枠が150~450万円以下になっています。
セキュリティ対策推進枠は5~100万円、デジタル化基盤導入枠は~50万円以下(補助率4分の3以内の場合)もしくは50万円超~350万円(補助率3分の2以内の場合)です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金はものづくり、新事業をするために必要な設備投資やサービス開発などにかかる費用を補助します。
- 企業のデジタル化、DX推進、インボイス制度などに対応するため、ITツールを導入するコストをサポートする補助金です
通常枠は補助率2分の1もしくは3分の2(小規模企業者、小規模事業者、再生事業者)で、補助金上限額は従業員数によって750~1250万円となっています。
回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠が補助率3分の2で、補助金上限額は750~1250万円です。
グリーン枠が補助率3分の2で、補助金上限額はエントリーが750~1250万円、スタンダードが1000~2000万円、アドバンスが2000~4000万円になっています。
グローバル市場開拓枠が補助率2分の1もしくは3分の2(小規模企業者、小規模事業者、再生事業者)で、補助金上限額は3000万円です。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は厚生労働省が実施しており、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など非正規労働者を社内で正社員にしたり、賃金規定の改定をしたりするときに申請できます。
正社員化コースと賃金規定等改定コースの2種類です。
正社員化コース
中小企業の場合で、有期雇用労働者1人当たり57万円、無期雇用労働者1人当たり28万5000円になっています。
大企業の場合で、有期雇用労働者1人当たり42万7500円、無期雇用労働者1人当たり21万3750円です。
賃金規定等改定コース
中小企業の場合で、賃金を3%以上5%未満アップすると1人当たり5万円、5%以上アップすると1人当たり6万5000円補助されます。
大企業の場合で、3%以上5%未満アップで1人当たり3万3000円、5%以上アップで1人当たり4万3000円です。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は事業承継をきっかけに新しい取り組みを行ったり、経営資源を引き継ぎしたりする中小企業への支援制度です。
種類としては以下の3種類になります。
- 経営革新事業
- 専門家活用事業
- 廃業・再チャレンジ事業
補助率は2分の1もしくは3分の2、補助金上限額は経営革新事業が賃上げを実施した場合で800万円、しなかった場合で600万円です。
専門家活用事業の補助額は50万円以上600万円以内(廃業費として150万円上乗せ)とされています。廃業・再チャレンジ事業の補助額は50万円以上150万円以内です。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は従業員のキャリア形成促進を目的とした助成金で、以下の7種類があります。
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 障害者職業能力開発コース
職業訓練などを行って専門的な知識や技能習得をしたり、教育訓練休暇制度を規定したりすると経費の一部が補助されます。
それぞれのコースで条件や必要書類などが異なるので、必ず申請したいコースの詳細を確認することが重要です。
たとえば、人材育成支援コースの場合、補助率は経費助成が45~70%(中小企業以外は30~70%)、賃金助成が1人1時間当たり760円(中小企業以外は380円)になっています。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新分野の事業をスタートさせる事業者が対象です。
補助金の上限額が大きく、規模が大きいチャレンジをしたいと考えている事業者にも向いています。
成長枠は従業員数によって100~7000万円、グリーン成長枠のエントリーが100~8000万円、スタンダードが100万~1.5億円です。
卒業促進枠は、成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準じた金額になっています。
大規模賃金引上促進枠は100~3000万円、産業構造転換枠が100~7000万円(廃業の場合は最大2000万円が上乗せ)です。
最低賃金枠が100~1500万円、物価高騰対策・回復再生応援枠が100~3000万円とされています。補助率は2分の1、3分の1、3分の2、4分の3いずれかです。
ただ、補助額や補助率は度々変更されているため、最新情報を確認しておきましょう。
創業助成金(東京都)
東京都中小企業振興公社が実施している創業助成金は、都内で起業予定もしくは起業後5年未満の中小企業が対象です。
助成率は経費の3分の2以内で、助成額は100万円以上300万円以内になっています。
助成金の対象になる経費は賃借料や広告費、器具備品購入費のほか、産業財産権出願・導入費、専門家指導や従業員の人件費にかかる費用です。
助成の対象期間は交付決定日から6ヶ月以上2年以下で、助成対象になる経費が多いことから利用しやすいといえます。
大阪起業家グローイングアップ補助金(大阪府)
大阪起業家グローイングアップ補助金は、大阪府内の事業者や府内で起業しようとしている人、ビジネスプランコンテストの優秀提案者が対象です。
補助率は経費の2分の1、補助額は50万円もしくは100万円となっています。
起業していない状態でこちらの補助金の交付が決定した場合、交付決定日の翌日から1年以内に創業しなければなりません。
起業・創業時に補助金を利用するメリット
補助金は返済不要なので、起業・創業する際に金銭面で大きな助けになります。
また、申請時に事業計画書を作成するため、自社の経営ビジョンや目安になる売上高などが明確になる点もメリットです。さらに、補助金を利用するためには必ず審査があるため、国や地方公共機関から事業計画が認められることで社会的な信用度がアップします。
たとえば、将来的に金融機関から融資を受けたいときにも、信頼度が高ければ審査に通る可能性があるでしょう。
起業・創業時に補助金を利用するときの注意点!
起業・創業する際に補助金を利用するときの注意点を紹介します。
審査に通過しなければならない
補助金を受けるためには審査とクリアしなければならない要件があります。そのため、申請した人が必ず受給できるわけではありません。
また、予算枠が決められているので、申請したとしても受給できないケースもあります。必要書類を提出しなければなりませんが、書類に不備があると提出し直しになるので、細かな点まで確認しておくことが重要です。
後払いですぐに入金されるわけではない
補助金は後払いが一般的で、審査を通過してもすぐに入金されるわけではありません。そのため、まとまった資金をできるだけ早く用意したい場合は、契約後すぐに入金される傾向がある融資を検討する必要があります。
融資は銀行だけではなく、日本政策金融公庫などにも相談可能です。
ただ、起業時に融資を相談した場合、まだ社会的信用も低いことから契約に至るのは難しい可能性があります。
起業に向けて計画的に書類作成や申請などを行わなければなりません。
必要書類の作成には時間がかかる
補助金を申請する際には事業計画書を作成し、自社のビジネスが利益を得られるものであるという根拠を説明しなければなりません。
また、審査通過後も事業計画書通りに実施し、その結果について報告書を提出する必要があります。
起業したいと考えているときはまだ書類作成に慣れていない場合もあるため、早めに書類作成に取りかかっておくほうが無難といえます。
ホームページを開設して会社の信頼性を高めよう!
補助金は返済不要なので、創業・起業時に積極的に利用しましょう。
また、自社の信頼性を高めるために、対外的に見えやすい形で情報発信できるホームページ制作をするのもひとつの方法です。
たとえば、企業ビジョンなどが明記されていれば、自社に対する理解度がさらに高まる可能性があります。
「ホームページドットコム」は高品質のホームページを制作し、年間2000社の依頼を受けてきた実績があるので、まずは相談してみましょう。