【2023年度】小規模事業者持続化補助金のインボイス枠・特例とは?
2023年10月1日からインボイス制度が始まります。
それに伴い、免税事業者からインボイス発行事業者へ転換する事業者も多いのではないでしょうか。
小規模事業者持続化補助金の利用を検討しているのであれば、支援措置であるインボイス特例について理解しておいたほうがよいでしょう。
本記事では、小規模事業者持続化補助金のインボイス枠、インボイス特例への変更点、補助金を利用するメリットなどを解説していきます。
この記事はこんな方におすすめです
- 設備投資時に使える補助金を知りたい方
- どの費用が補助金の対象になるか知りたい方
- 設備投資によるメリットを知りたい方
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は2014年から始まった補助制度です。
小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営に向けて行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援しています。
この補助制度の目的は物価高騰、賃上げ、インボイスへの対応を迫られる小規模事業者の販路開拓を後押しすることです。
持続的な経営に向けた経営計画を策定して販路開拓を目指す小規模事業者に対して、経費の一部を補助しています。
補助対象となる経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、設備処分費、委託・外注費です。
販路開拓を行うための旅費、新商品の試作品開発に伴う経費なども経費として認められています。
小規模事業者持続化補助金は、通常枠と特別枠があります。
通常枠は「小規模事業者が自ら作成した経営計画に基づいて、商工会や商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓などの取り組みを支援する枠」で、特別枠は「賃金引上枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠に分かれた国の政策目的にあわせた枠」となっています。
インボイス事業者への転換で補助金を利用するメリット
免税事業者からインボイス発行事業者へ転換する際には、諸手続きを済ませたり、システムを導入したりするなどの手間が発生します。
新型コロナウイルスの流行、原油や原材料の価格高騰の影響で厳しい経営を強いられている事業者にとっては、資金面も大きな課題となることでしょう。
小規模事業者持続化補助金を活用すれば、経費に対して一定額までの補助が受けられますので、予算の課題を解決できます。
しかも、小規模事業者持続化補助金は返済義務がありません。
インボイス事業者へ転換する事業者にとっては、利用するメリットが大きい制度といえます。
小規模事業者持続化補助金のインボイス枠について
小規模事業者持続化補助金にはインボイス枠があります。
ここでは、インボイス枠の概要やインボイス特例への変更点などを解説します。
インボイス枠とは
小規模事業者持続化補助金のインボイス枠はインボイス発行事業者へ登録する事業者を対象とした補助金です。
通常枠の補助額上限は最大で50万円ですが、インボイス枠の補助額上限は最大100万円、または対象金額の3分の2となっています。
インボイス枠の申請要件は、2021年9月30日〜2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者だった、もしくは、免税事業者と見込まれる事業者のうちでインボイス発行事業者に登録し、販路開拓の取り組みを行う小規模事業者です。
これらの要件を満たさないと補助の対象になりません。
インボイス枠からインボイス特例への変更
小規模事業者持続化補助金のインボイス枠は第11回公募が最後となりました。
第12回公募からはインボイス特例が創設されています。
インボイス枠からインボイス特例への変更点は補助上限額が一律で50万円の上乗せになったことです。
インボイス枠の補助上限額は最大100万円でしたが、インボイス特例が適用される場合はすべての枠で50万円上乗せできるようになっているため、申請する枠によっては最大で250万円もの補助をうけることも可能になっています。
※枠によって補助上限額は変わります。
2023年度より開始!インボイス特例について知ろう
インボイス特例を利用して補助を受けるためには指定の適用要件を満たしておかなければなりません。
ここでは、インボイス特例の適用要件や手続き方法、利用時の注意点などを詳しく解説します。
インボイス特例の適用要件
インボイス特例の対象者は免税事業者から適格請求書(インボイス)発行事業者に転換する小規模事業者です。
インボイス特例を受けたい場合には、税務署で適格請求書発行事業者の登録を済ませておかなくてはなりません。
第12回公募の要件は、2021年9月30日〜2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であること、もしくは免税事業者であることが見込まれる事業者のうちで適格請求書発行事業者の登録を受けた場合であることです。
この補助対象に当てはまる企業や個人事業主はかなり多いと考えられます。
小規模事業者持続化補助金はメリットの多い補助制度ですので、インボイス特例の該当者は利用を検討してみるとよいでしょう。
インボイス特例の手続き方法
インボイス特例を利用するためには適格請求書発行事業者の登録を済ませるほかにもインボイス特例用の手続きが必要です。
経営計画書の作成が終わったら、インボイス特例欄と「補助事業計画②」の経費明細表のインボイス特例の欄に忘れずにチェックを入れるようにしてください。
インボイス特例の申請では「インボイス特例の申請に係る宣誓・同意書」の提出が求められます。法人用、もしくは、個人事業主用のどちらか使用してください。
格請求書発行事業者へ登録済みの場合は登録通知書の写しの提出が必要です。
e-Taxにて登録申請手続中の事業者の場合は、登録申請データの「受信通知」を印刷したものを添付するようにしてください。
インボイス特例を利用するときの注意点
インボイス特例を受ける際は提出書類が多くなります。
書類の添付漏れや記入漏れがないように注意しましょう。
また、通常枠や特別枠に規定されている要件も満たしておかなくてはなりません。
万が一要件を満たしていない場合には、交付決定を受けていた場合であってもインボイス特例の対象外となってしまいます。
また、過去にインボイス枠を利用したことがある事業者はインボイス特例の対象外となることを把握しておきましょう。
特例を理解したら小規模事業者持続化補助金を申請しよう
インボイス特例の概要や要件について理解できたら、小規模事業者持続化補助金の申請手続きに進みましょう。
ここでは、補助の対象者、対象事業、スケジュールなど、小規模事業者持続化補助金の申請時に必要な情報を紹介します。
対象者
小規模事業者持続化補助金の対象者は小規模事業者です。
対象となる業種は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)、宿泊業・娯楽業、製造業その他で、これらの業種に該当する個人事業主、会社および会社に準ずる営利法人であれば、経費の補助が受けられます。
一定の要件を満たした特定非営利活動法人も対象となります。
なお、小規模事業者持続化補助金では申請時の要件となる従業員数の上限が業種ごとに定められています。
常時使用する従業員数は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)が5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他が20人以下です。
なお、常時使用する従業員には、個人事業主本人、会社役員、一定条件を満たすパートタイム労働者などは含まれません。
小規模事業者持続化補助金の対象外となるのは、医師、歯科医師、助産師、個人農業者などです。
一般社団法人や公益社団法人の他、医療法人、学校法人、宗教法人、農事組合法人、社会福祉法人、協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)も対象外となっています。
また、小規模事業者持続化補助金の「卒業枠」で採択を受けて補助事業を実施した事業者も、小規模事業者持続化補助金の対象外です。
この他にも、対象外となる要件がいくつかありますので、申請前によく確認しておきましょう。
対象事業
小規模事業者持続化補助金の補助対象となるためには、策定した経営計画に基づき実施する販路開拓のための取り組みか、その取り組みとあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取り組みであることが要件となっています。
また、 商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であることも、補助対象の要件です。
商工会・商工会議所による事業支援計画書の発行を受けて、補助事業実施に関するアドバイスや支援を得ながら実施する事業であれば、補助が受けられます。
対象事業の例は、新商品の開発、販促用チラシの作成、店舗改装などです。
小規模事業者持続化補助金は、その他の国の補助金と重複して受け取ることができません。補助金や委託費などと重複する事業の場合には補助の対象外となってしまいます。
また、小規模事業者持続化補助金の終了から概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業も対象外です。
さらに、事業内容が射幸心を煽る恐れがある、公の秩序や善良の風俗を害する恐れがある、公的支援を行うことが適当でないと認められる場合も対象外となります。
スケジュール
小規模事業者持続化補助金のスケジュールは各年度によって異なります。
2023年度は、2023年3月10日から申請受け付けが開始されました。申請の締め切り日は、第12回が2023年6月1日、第13回が2023年9月7日です。
実績報告書の提出期限は、第12回が2024年5月10日、第13回が2024年8月10日です。
事業支援計画書交付の受け付け締切日は、第12回が原則2023年5月25日、第13回が原則2023年8月31日です。
締め切り日に間に合うように、余裕をもって準備を進めたほうがよいでしょう。
申請方法
申請する時は公募要領などをよく確認して申請時に必要な書類をそろえておきましょう。
書類の準備が完了したら、地域の商工会・商工会議所の窓口で「経営計画書」や「補助事業計画書」の他に、希望する枠や加点などに関する書類を提出してください。
その際に「事業支援計画書」を発行してもらいましょう。
小規模事業者持続化補助金の申請は電子申請、もしくは郵送です。持参での申請は受け付けていません。
商工会・商工会議所の地区によって申請先が異なるのでよく確認しておきましょう。
電子申請の場合は補助金申請システムの「Jグランツ」を利用しますが、「Jグランツ」のシステムを利用するためには「GビズIDプライムアカウント」が必要です。
アカウントの取得には、数週間程度の時間がかかる場合がありますので、電子申請を予定している場合は、早めにアカウントを取得しておいた方がよいでしょう。
補助金を上手に活用してインボイス制度に備えよう!
小規模事業者持続化補助金のインボイス特例を利用すれば最大で250万円の補助が受けられます。インボイス制度に備えるために、このような補助金制度を活用してみてはいかがでしょうか。
また、補助金の申請時には電話番号が必要です。
個人で使っている携帯電話の番号などでも問題ないですが、企業や店舗として申請するなら専用の電話番号を取得しておいた方が良いでしょう。
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