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白色申告の確定申告方法まとめ|必要書類と提出の流れ

はじめに

書類の作成が比較的簡単で、事前申請をしなくても確定申告ができるのが白色申告です。しかし、初めて確定申告をする方にとっては、具体的にどのような書類を作ればよいのか分かりにくいこともあります。

ここでは、白色申告で確定申告を行う場合に必要な書類の内容や、確定申告の時期、書類の提出方法についてご紹介します。会社からの給与以外に副業収入を得ている方や、これから独立して事業主として収入を得ていく予定があり、確定申告について詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。

▼目次

白色申告でも記帳が義務化されている

白色申告で確定申告を行う場合、現在では所得額に関係なくすべての人に「記帳」が義務化されています。以前は、所得額が300万円以上の場合にのみ、記帳する必要がありましたが、法改正に伴い必ず記帳することになったため、注意が必要です。

記帳とは、確定申告に関係する収入や支出を、記録に残しておく作業のことを意味します。記帳の方法には2種類あり、収支について簡単に記録を残しておく「単式簿記」と、簿記のルールに従って帳簿を作成する「複式簿記」のいずれかを選択します。白色申告では、簡単な「単式簿記」で記帳を行います。家計簿と同じようなイメージで、いつ、どこからいくらお金が入ってきたのかなどを記録しておきましょう。また、作成した帳簿は7年間の保存が義務付けられています。

白色申告の確定申告で提出が必要な書類

白色申告で確定申告を行う場合に必要な書類は、「確定申告書」および「収支内訳書」と、確定申告書に添付する控除に関する書類です。

確定申告書に添付する控除関係の書類は、生命保険や医療保険に入っていると送られてくる控除証明書や、住宅ローンを払っている場合はその書類が対象となります。こちらは、該当する書類を集めて提出するだけですので、特にデータを書き込んだりする必要はありません。

確定申告書については、「確定申告書B」という種類の用紙に、必要な情報を書き込んで作成します。その前段階として、いつどんなお金のやり取りが発生したかを記録した帳簿のデータが揃っている必要があります。白色申告の場合は、青色申告ほど複雑な記帳は不要で、日々の収支の合計金額さえ記録されていれば認められます。このデータをもとに、確定申告書Bに記載されている手引きに従って金額を書き込み、課税所得を算出しましょう。

収支内訳書は、1年間の収入や原価、人件費や家賃などを記入します。表と裏に記入欄がありますが、所得の種類に応じて「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」に用紙が分かれています。該当するものを使用して、収支内訳書を作成しましょう。

白色申告の確定申告の時期と提出方法

白色申告は、税務署が確定申告を受け付ける2月中旬から3月に書類を提出します。前年の1月から12月までに発生した課税所得について書類を作成し、申告後3月中に納税する流れで、青色申告の場合と変わりません。年が切り替わった時点で、白色申告で記入するべき収支の情報が確定しますので、その後できるだけ早い段階で確定申告書類を作成しておけば、直前になって焦らなくてすみます。

白色申告の書類を提出する方法は3つあります。自分の確定申告を管轄している税務署に直接持ち込む方法、税務署に郵送で書類を送る方法、ネットから申告書類を提出する方法のいずれかです。

税務署に直接持ち込む場合には待ち時間に注意が必要です。確定申告の時期は窓口が混雑するため、長い場合は2~3時間以上かかってしまうこともあります。できるだけ早い時期に持ち込むことで、待ち時間を少しでも短くする工夫をしてみてください。白色申告について、税務署の担当者に確認したいことがない場合は、郵送か電子申告で済ませてもよいでしょう。

ネットで申告できる電子申告では、国税庁のホームページからe-Taxというシステムを用いて行います。24時間いつでも確定申告書類の提出が可能ですので、パソコン操作に不安がない方には便利な提出方法です。

白色申告の確定申告書の作成方法

白色申告に必要な書類を作成する方法についてご紹介します。まず、白色申告の書類に記入するデータを揃えるために、日々の帳簿付けが大切です。確定申告書類を作成するタイミングで、1年間の取引についてまとめて処理することもできますが、処理するデータ量が膨大になり、大変になってしまいます。月に1回などのサイクルを決めて、帳簿付けをするのが効率的です。

帳簿の情報が整ったら、確定申告書類に必要事項を記入していきます。確定申告書Bには、課税所得を計算するための数式がかかれているため、書面に記載されている手引きに従って必要事項を記入していけば、支払うべき税金が分かるようになっています。

収支内訳書には、1年間の収入やかかった費用などを記入していきます。なお、普段の帳簿付けに会計ソフトを利用している場合には、記帳が完了した段階で自動的に収支内訳書を作成する機能がついているものもあります。手書きで作成するよりも効率が良く、記入ミスも避けやすいです。このほか、白色申告に必要な添付書類を用意し、税務署に提出します。

白色申告の確定申告の流れ

白色申告を利用して確定申告する流れについてまとめます。

まず、白色申告を希望する場合には、青色申告とは異なり、事前の申請は不要です。1月1日から12月31日までの取引について、日々の帳簿付けが主な作業になります。白色申告の場合は、1つ1つの取引について細かく収支を記載していなくても、日々の収入と支出をひとまとめにして記録してあれば認められます。また、会計ソフトを使って管理しておくと、その帳簿データをもとに確定申告書類を自動的に作成してくれるので便利です。
年が変わったら、課税対象となる所得が確定しますので、確定申告書類の作成を始めましょう。白色申告の提出期間は2月中旬から3月15日までとなっています。この期間中に提出できなかった場合や、確定申告の手続き自体を忘れてしまうと、ペナルティが課される場合があるため注意が必要です。

確定申告書類が受理された後は、算出した納税額を実際に納めて、白色申告による納税が一通り完了となります。

まとめ

白色申告による確定申告の方法についてご紹介しました。確定申告では、給与所得だけで生活しているときには触れる機会が少ない用語や決まり事が出てくるため、苦手意識を持ってしまう方も少なくないでしょう。しかし、会計ソフトなどのサポートを利用しながら作業すれば、白色申告に必要な書類を作るのは難しくありません。会計ソフトの「freee(フリー)」などは、初めて確定申告をする人でも簡単に白色申告ができる機能が備わっています。手作業で帳簿を付けるよりも、時間をかけず正確に書類作成できるため、白色申告を効率的に済ませたい方に役立ちます。また、「来年からは青色申告で控除を受けたい」という場合のデータの引継ぎもできますので、検討されてみてはいかがでしょうか。

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