経理のアウトソーシングとは?導入のメリットは?
会社を経営するために、欠かすことのできない経理業務です。
しかし、できるだけ収益につながる業務に時間を使い、経理などの管理・間接業務にはできるだけ時間をかけたくないものです。
特に初めて会社を立ち上げたばかりの時は、事業を軌道に乗せることに注力したい時期にもかかわらず、簿記の勉強や経理業務の進め方を調べるところから始めることになり、本業への負担になりかねません。
ここでは、そのような場合に利用できる経理のアウトソーシングについて紹介します。
この記事はこんな方におすすめです
- 経理不在で対応に困っている方
- 経理業務のアウトソーシングを考えている方
- 経理担当の採用を検討している方
経理アウトソーシングとは
経理アウトソーシングとは、経理業務を代わりに行ってくれるサービスです。
どのようなことを代行してくれるの?
それでは、代表的なサービスを例に挙げていきます。
1.記帳、仕訳業務
会社を運営すると、日々の売上や経費を正しく記帳、仕訳する必要があります。
ほとんどがルーチンワークですが、毎日こまめにしようとすると時間的にも精神的にも負担がかかってしまいます。
会社を立ち上げたばかりの時は、ついついため込んでしまって、確定申告の時期に頭を抱える、ということもありえます。
このような少し面倒な業務も、まとめて外部にアウトソーシングすることができます。
2.売掛金、買掛金の管理
商品やサービスを販売し、売上代金は後日回収するものを、売掛金といいます。
逆に、商品を仕入れてまだ支払っていないものを買掛金といいます。
売掛金も買掛金も、期日を決めて確実に回収、支払いすることが大切です。
特に、売上が期日通りに回収できないと、売上はあるのにお金がない、という状態に陥り、黒字倒産にもつながりかねません。
また、買掛金を期日までに支払いできないと、仕入れ先との信頼関係を悪化させてしまう可能性があります。
こうした経理の中でも重要な業務といえる売掛金、買掛金の管理も、外部に委託することが可能です。
3.経営資料(決算報告書など)の作成
決算報告書は、税務署や株主、取引先に資産状況を報告することを目的に作成しており、事業経営のためには欠かすことができませんが、知識がない方が一人で作成するのは大変です。
どのような資料を作成すれば良いか? 決められた体裁でミスなく作成できているか? わからないことが多く、不安もあるかと思います。
このような決算報告書などの経営資料も、外部に委託して作成してもらうことができます。
4.IPO支援、M&A支援、資金調達支援
事業拡大を考えたときに、資金を集める必要がでてきます。
経営に関して専門的な勉強をしたか、ある程度経験のある方でないと、どのように資金調達して事業を拡大していくべきかの判断が難しいと思います。
経理のアウトソーシング業者の中には、IPOやM&A、資金調達などの専門的な分野に関してコンサルティングしてくれる業者もあります。
サービスの内容は業者によって違うので、どのようなサービスが自社にとって必要なのか判断することが必要ね。
経理アウトソーシングのメリット
上記で経理アウトソーシングのサービスについて紹介しましたが、実際に利用する場合のメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
- 人件費削減
- 不正防止
- 関連業務への対応
- 業務量に応じた柔軟な対応
詳細については、以下で触れていきたいと思います。
1.経理担当の人件費を削減
経理業務を外部に委託し、経理担当の人数を減らすことで給料や福利厚生費などの人件費削減につながります。
また、不慣れな人が経理業務を行うことで時間がかかっていた作業も工数を削減することができます。
2.第三者による管理で不正を防ぐ
社内で長い間経理を任されていると、自己の利益を考えて不正を行う人が出てくるかもしれません。
経理を外部に委託=第三者により管理することになるため、このような不正が発生するリスクはきわめて低くなります。
また、知らないうちに行ってしまう細かいミスも、専門的な知識をもった人が対応することでより少なくなります。
3.専門家による業務対応が可能
外部にアウトソーシングした場合、経理業務に精通した専門家に対応してもらうことが可能です。
税法や社会保険については毎年改正される可能性がありますが、社内の経理担当が詳しくチェックしておく必要はありません。
特に、少人数で会社経営する場合、十分な知識を持たない方が経理を行う場合もあるかもしれませんので、専門家に任せられるのは非常に安心感を得られます。
4.繁忙期/閑散期など業務量変動に柔軟に対応可能
繁忙期はお金の動きが激しくなるため、経理担当の業務も必然的に多くなりますが、その一方で閑散期は経理担当の業務が少なくなります。
そのため、社内に人材を確保しても無駄な固定費がかかってしまう可能性があります。
経理アウトソーシングの良いところは、このような業務量変動に合わせて柔軟に対応してくれるところです。
特にSOHOの場合、年間コストでみると、担当を採用するよりも抑えられそうね。
経理アウトソーシングのデメリット
経理アウトソーシングによるメリットを確認しましたが、デメリットも確認しておきましょう。
- 対応スピード
- ノウハウの蓄積
詳細については、以下で触れていきたいと思います。
1.スピーディーな対応は期待できない
経理をアウトソーシングした場合、代行会社に依頼してから対応という流れになるため、社内で経理業務を行う場合のようにスピーディーな対応は期待できません。
また、基本的に契約に基づいて業務が行われるため、イレギュラー対応や営業時間外の緊急対応は難しいです。
原票の回収やデータの受け渡しなど、物理的にやむを得ない事情でタイムラグが発生する可能性もあります。
2.社内にノウハウがたまらない
経理業務をすべてアウトソーシングした場合、社内に経理に関する業務内容やフローに関する知識が蓄積されません。
常にアウトソーサー頼みでいると、急に社内で経理業務を行う必要があるときに、対応ができない可能性があります。
会社規模を大きくしていくつもりであるのであれば、いずれは社内にノウハウや人員が必要になります。
アウトソーシングを利用することも良いですが、最近では、会計知識が少なくても自社で管理ができる会計ソフトもあります。
時間のかかる記帳や経営資料の作成をサポートしてくれるものもありますので、そのようなソフトの導入も考えてみてはいかがでしょうか。
将来的なことを考えると、ずっとアウトソーシングを使い続けるのはよくないかも...?
まとめ
ここまで、経理のアウトソーシングの説明と、メリット・デメリットを記載してきました。
うまく活用すれば、事業経営に大きな効果を発揮することになりますが、デメリットも考慮して慎重に考えなければなりません。
自社の今後の事業計画も鑑みて、会計ソフトの導入なども併せて検討してみてください。
現在の状況を見ながら活用していきましょう。
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