なぜ「食欲の秋」と言われるのか?言葉の由来や時期、楽しみ方
9月も下旬に入り、ようやく秋らしい気温になってきたように感じます。
夜間は特に涼しくなり、日中の暑さも和らいできたので、とても過ごしやすい季節になりつつありますね。
秋は収穫の季節なので、新鮮で美味しい食材が豊富に手に入る季節でもあります。
そんな秋は、四季の中でも食欲が湧く季節としても一般的に認識されていて「食欲の秋」という言葉もあるくらいです。
今回は「食欲の秋」に注目してまとめていきたいと思います。
この記事はこんな方におすすめです
- 食欲の秋という言葉の由来などを知りたい方
- 秋になぜ食欲が増すのかを知りたい方
- 秋に食べたい旬の食材を知りたい方
なぜ「食欲の秋」と言われるのか?
あなたは「○○の秋」といえば?という質問に対して、何を思い浮かべますか?
ある調査では、この質問に対して「食欲の秋」と答える方が多くを占めていたという結果があります。もしかしたら、今この記事を読んでいるあなたも「〇〇の秋」といえば、「食欲の秋」を思い浮かべたのではないでしょうか。
ここでは「食欲の秋」と言われるようになった由来やその時期を見ていきたいと思います。
食欲の秋の由来
「食欲の秋」という言葉は、日本の季節感覚や食文化を表現するために使われる慣用句です。
いくつかの要素が重なって食欲が増すと感じることなどにより、「食欲の秋」という言葉が生まれたと考えられています。
言葉の由来には諸説ありますが、いくつかご紹介します。
動物の本能で食欲増進
食べ物が少なくなる冬に向けてエネルギーを貯めこむため、本能的に食欲が増すという説があります。
多くの動物は冬の間、食べ物が不足する時期に備えて、秋に食欲を増し、体重を増やす傾向があります。
これによって、冬眠する動物はエネルギーを蓄え、寒さや食物不足に備えることができます。
人間もまた、過去には農耕文化が主流だった時代にこのような本能が働いていた可能性があります。
秋は収穫の時期であり、冬に備えて食糧を確保する重要な時期でした。
このため、秋になると食欲が増すというのは、動物的な本能や歴史的な文脈からも理解できる考え方です。
「食欲の秋」という言葉の由来として、動物の本能や冬への準備に影響されている可能性は非常に高いと言われています。
美味しい食材が豊富な収穫の秋!食欲増進
日本の農耕文化に根ざし、秋は稲刈りや作物の収穫が盛んな季節であるため、食材が豊富に手に入ることから食欲が増すとされています。
新鮮な野菜、果物、穀物などが豊富に手に入り、栄養価が高く、美味しいとされています。
新鮮な食材が豊富に手に入ることで、料理のバリエーションが増え、食事がより楽しくなることも一つの要因かもしれませんね。
夏バテが解消し食欲増進
夏季は暑さや湿気などの影響で、食欲が減退することがあります。
暑さのため、食欲が落ち、夏バテや栄養不足の状態に陥る人も少なくありません。
しかし、秋になると涼しくなり、過ごしやすくなるため、夏バテの症状が和らぎます。
また、収穫の秋には、新鮮で栄養価の高い食材が豊富に手に入るので、夏の栄養不足を補い、体力が回復しやすくなります。
体調が安定することで、食欲が増す要因の一つとなっています。
食欲の秋はいつ?
まず、秋がいつからなのか?というところからみていきます。
暦の上での「秋」 |
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気象学的に「秋」 |
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農業的に「秋」 |
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気象学では9月〜11月が秋ですが、旧暦で考えると8月から秋なんですね。
今年もそうですが、9月末まで残暑があるため、まだまだ夏バテを感じる時期かもしれません。
秋の旬の食材も豊富に出周り、体調も回復している季節で食欲が湧くと考えると、少し涼しくなってくる10月に入ってから11月までが「食欲の秋」と考えるのが良いのではないでしょうか。
食欲の秋を英語でいうと?
「食欲の秋」は直訳するとAutumn appetite
- 秋を英語で「Autumn」、食欲を英語で「appetite」となるので「食欲の秋」を直訳して「Autumn appetite」となります
日本人は「食欲の秋」と言われてもさほど違和感なくイメージできますが、英語で言われても海外の人には、いまひとつ伝わらないかもしれません。
これはやはり、日本独特の季節感覚や食文化を表現されており日常的に使われている言葉だからということもあると思います。
海外の方に、「食欲の秋」をイメージしてもらうにはもう少し説明が必要になるでしょう。
「食欲の秋」を英語で伝える際の例として
英語 | 日本語訳 |
Autumn is the best time for eating. | 「秋は食べることに最も適した季節です。」 |
Autumn is a perfect season to have a good appetite. | 「秋は食欲が旺盛になる時期です。」 |
秋が食欲が増す季節であることを文章として伝えているので、直訳よりは伝わりやすいとは思いますが、日本独特の慣用句である「食欲の秋」を伝えるには、日本の季節などの予備知識がないと理解するのは少し難しいかもしれませんね。
食欲の秋に食べたい旬の食材
夏が終わり、秋の空気を感じ始める頃から、秋に旬を迎える食材が日本全国で増えてきます。
野菜や果物、米などの穀物、魚など、いろいろな食材が旬を迎える秋に食べたい旬の味覚を見ていきましょう。
旬の野菜
旬の野菜 | 特徴 | 秋の主な生産地 |
かぼちゃ | 甘みがあり、柔らかい食感が特徴的。煮物やスープ、お菓子などに使われます。 | 北海道、鹿児島県、茨城県など |
里芋 | ねっとりとした食感があり、独特の風味があります。煮物や天ぷらなどに使われます。 | 埼玉県、千葉県、宮崎県など |
レンコン |
夏の終わりから、初秋にかけて収穫できる蓮根はシャキッとした食感、秋の終わりから冬にかけて収穫できる蓮根はモチモチとした食感です。ビタミンC、食物繊維、カリウム、カルシウムなどの栄養素が多く含まれている食材です。 |
茨城県、徳島県、石川県など |
ほうれん草 | ほうれん草は秋から冬にかけて旬の野菜です。ビタミンB1やビタミンCが多く含まれており、疲労回復や風邪予防にも効果があるとされています。また、鉄分も多く含まれています。 | 千葉県、埼玉県、群馬県など |
なす | 熟すと艶やかな紫色になり、皮も身もやわらかく、味や旨みが増す旬ならではの美味しさが魅力の「秋茄子」です。煮物や揚げ物などに使われます。 | 高知県、熊本県、群馬県など |
さつまいも | さつまいもは、食物繊維・カリウムが豊富な食材です。焼く、蒸す、干すなどいろんな調理方法で食べられる食材です。 | 鹿児島県、茨城県、千葉県など |
ブロッコリー |
実は秋の終わり頃から旬を迎えるブロッコリー。11月下旬ごろから旬を迎え、春先までおいしく食べられます。ビタミンCやβカロテンが豊富です。 |
香川県、徳島県、鳥取県など |
秋に旬を迎える野菜はたくさんありますね。
かぼちゃなど、収穫する時期と旬を迎える時期が異なる野菜があるのが特徴的です。
また、ハウス栽培や品種改良、栽培エリアなどにより季節関係なく年中食べられる野菜があるというのも面白く、日本の農業のレベルの高さを感じます。
旬の穀物
旬の穀物 | 特徴 | 秋の主な生産地 |
米 |
お米の旬の時期は9〜10月頃です。いわゆる「新米」と呼ばれるお米は、ツヤ、風味、粘り、香り、甘みすべてにおいて優れていて、とても美味しい時期です。 |
全国各地で栽培されていますが、新潟県、北海道、秋田県などが有名です。 |
麦 | 小麦や大麦も米と同じく秋に旬を迎えます。主にパンやビール、麺類の原料として利用される穀物です。 | 北海道、福岡県、佐賀県など |
大豆 |
大豆の収穫時期は10月頃となります。収穫後に乾燥され、余分な水分がなくなることで、豆自体が引き締まります。新物大豆で作った豆腐は栄養価も高く風味も抜群です。 |
北海道、佐賀県、宮城県など |
小豆(あずき) |
秋に収穫し乾燥してから新豆が出回るのは10月〜2月くらいで、この時期に旬を迎えます。大納言には産地の名前がついているものもあり京都の丹波地方で生産されている「丹波大納言」などは有名です。
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北海道、京都府、岡山県など |
もち米 | 粘りが強く、お餅の原料として利用されます。日本のお正月などに欠かせない食材です。 | 四国地方、九州地方など |
お米などの穀物の大半が、秋に旬を迎えます。
旬を迎えた穀物は、栄養価が高く、味や風味もよくとても美味しく食べることができます。
また、多くの穀物が収穫後に乾燥させ、保存食としても食べられています。
新米が食べられる季節が今年も近づいていますね!
旬の果物
旬の果物 | 特徴 | 主な生産地 |
りんご |
品種によって旬の季節も前後しますが、多くが秋に旬を迎えます。 甘みが強いもの、酸味が強いもの、食感が柔らかいもの・硬いものなど、味や風味、食感などが品種によって特徴が異なり、一口にりんごといっても豊富な種類があります。 |
青森県、長野県、岩手県など |
ぶどう |
ぶどうも品種によって旬の季節が前後します。夏から出回る品種もありますが、一般的な出荷のピークが9〜11月なので秋が旬というイメージがあります。りんごと同様に、甘味や酸味、皮ごと食べられるものなど、品種が豊富です。近年ではシャインマスカットが人気です。 |
山梨県、長野県、山形県、岡山県など |
梨(なし) |
梨の出荷は8月から始まり、10月上旬までいろんな品種が出回ります。秋に旬を迎える梨は、みずみずしく甘くて美味しいと人気です。 品種によって、味や食感もさまざま。豊富な品種を食べ比べてみるのも楽しいですね。 |
千葉県、茨城県、栃木県など |
柿(かき) |
柿は秋〜冬が旬で、9〜12月頃までスーパーに出回ります。流通のピークは10〜11月、品種によって味も異なり、生で食べるだけでなく干し柿としても楽しまれています。 |
和歌山県、奈良県、福岡県など |
栗(くり) |
品種によっても異なりますが、栗の旬は9〜10月。甘味やホクホク感など食感がことなり味わいが違うのも特徴です。ビタミンB1、B2、ビタミンC、カリウムなどが豊富で、タンパク質も含まれており、昔は非常食目的で栽培されていました。。 |
茨城県、熊本県、愛媛県など |
果物も品種改良によって、味や風味、食感、旬を迎える時期もさまざま。豊富な品種で、食べ比べなどの楽しみも増えました。
栗は「果物」というイメージが少ないですが、農水省では「果樹」として扱っており、梅なども実は果物の分類です。
旬の魚
旬の魚 | 特徴 | 主な生産地 |
秋刀魚(さんま) | 秋刀魚の旬は、9〜10月です。旬の秋刀魚は脂がのっていて、塩焼きで食べるのが人気です。身がやわらかく、栄養価も高い旬の秋刀魚は、新鮮な時だけ「さんまの刺身」として提供されています。 | 北海道、岩手県、宮城県など |
鮭(さけ) |
鮭は、北大西洋などで2〜8年ほど回遊し、産卵のために故郷の川に戻ってくる習性を持つ回遊魚です。 北海道や東北で生まれた鮭が戻ってくるのが9〜11月頃で秋となるため、旬の季節は「秋鮭」なと呼ばれ全国に流通されるので秋に旬を迎えると認識されていますが、品種によって、旬が異なるものもあります。 脂がのっている鮭は塩焼きや刺身で食べられ、とても美味しく人気のある魚です。 |
北海道、青森県、岩手県、新潟県など |
鯛(たい) |
鯛は年間を通して水揚げされていますが天然の真鯛は、春と秋が旬です。春は「桜鯛」、秋は「もみじ鯛」と呼ばれており、秋の「もみじ鯛」は餌をたくさん食べて脂ののりもよく、肉質もよく美味しいとされています。 |
長崎県、福岡県、愛媛県など |
魚は年間を通して水揚げされる魚も多いですが、産卵期を迎える時期やエサが豊富な時期でたくさん食べて脂がのっている時期など、魚によって旬があります。
名前の通り秋の魚は、秋刀魚(さんま)が代表的で、塩焼きで食べると脂がのっていてとても美味しいですね。
新鮮な状態であれば、秋刀魚を刺身として提供していることもあるので、見つけた時はぜひ「さんまの刺身」を食べてみてください。
食欲の秋に、バーベキュー&キャンプを楽しむ
近年、キャンプなどアウトドア人気が高まっています。人と接触機会を少なく感染症予防にもなり、自然を楽しむといった過ごし方が、人気が高まっている理由です。
食欲の秋にバーベキューを楽しむ方も増えてきているので、バーベキューをメインイベントにキャンプをしたり、新しいアウトドアの楽しみ方のグランピングなども人気がさらに高まりそうです。
この秋は、バーベキューでいろいろな旬の食材を使って楽しんでみてはいかがでしょうか。
食欲の秋、バーベキュー&キャンプの魅力
秋は、バーベキューやキャンプにピッタリの季節です。
涼しいので汗だくにならない!
夏も海や川でバーベキューを楽しむ方は多いですが、暑いので汗だくになりながら火を囲むのは意外とつらいですよね。
それに比べて、秋は涼しく汗だくにならない!というメリットがあります。
普段からバーベキューやキャンプに行っている方は、抵抗はないかもしれませんが、初心者の方には辛いものです。
初めてキャンプやバーベーキューに挑戦する方は、秋に楽しむのがおすすめです。
虫が少ない
秋になると、蚊や虫が少なくなってきます。
蚊よけ、虫除け対策は当たり前ではありますが、キャンプやバーベキューに慣れている方でも、虫が少ないのはうれしいですよね。
特に初心者の方には重要なポイントかもしれません。
紅葉も見られるかも
場所によっては、紅葉が見られることもあります。
春の桜の季節のバーベキューも良いですが、紅葉を見ながらのバーベキューもおすすめです。
以下の記事では、山中湖周辺のおすすめ紅葉スポットをまとめています。山中湖の紅葉情報が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
【富士山・山中湖周辺の紅葉情報】山中湖の「紅葉まつり」とおすすめ紅葉スポット
朝晩は冷えるが焚き火が心地よい
秋になると、夜や明け方に冷え込むので、キャンプやグランピングをするなら焚き火がおすすめ。
肌寒い中での焚き火は、暖かくとても心地が良いものです。暖かな色でゆらゆらと揺れる炎を見つめるだけで、癒されますね。
また、旬のさつまいもをアルミホイルに包んで焚き火に入れて焼き芋を作のもおすすめです。
バーベキューには秋の旬の食材がおすすめ
秋にバーベキューをする時におすすめの食材と簡単なレシピをご紹介します。
"さつまいも"を使った焼き芋
やはり、秋はさつまいもです!薄切りにして焼いて食べてもよし、アルミホイルに包んで焼き芋にしてもよし。
とにかく、旬のさつまいもをバーベキュー食材に取り入れるのはおすすめです。
焼き芋を美味しく作るコツは、70度程度の温度でじっくりと時間をかけて焼くこと。
バーベキュー開始時に仕込んでおいて、食べ終わった頃に食べると美味しくいただけます。
焼き芋の美味しい作り方をご紹介します。
- さつまいもを洗い、両箸を切って塩水に10分ほどつける。
- 水で濡らした新聞紙やキッチンペーパーで芋を包みます。
- その上からアルミホイルで包みます。
- 炭の上に置き、全体的に熱が通るよう適度に転がします。
- 30〜40分程度で一度様子を見て、大体1時間くらいが目安です。
- 串がスッと入るなら完成。
- 時間があるなら火から遠ざけて冷めない程度温度で30分くらい放置しておくと蜜が出てさらに美味しい焼き芋になります!
品種によっても、味や風味、食感など全く異なるので、いろんな品種の"さつまいも"を使って美味しい焼き芋を作ってみてください!
秋刀魚(サンマ)の塩焼き
秋はやっぱり秋刀魚!
私の会社でも、バーベキューの企画で秋だから「秋刀魚を焼こう!」と盛り上がっています。
買ってきたサンマに、適当に塩を振り、そのまま網の上で焼くだけ!とっても簡単なので、秋のバーベキューにはとてもおすすめです。
大根おろしとポン酢で食べると美味しくいただけます!
鮭のホイル焼き
秋の鮭は、脂がのってとっても美味しいですよね。
バーベキューで作るなら、アルミホイルの包み焼きが簡単でおいしくできるのでおすすめです。
アルミホイルに鮭を置き、軽く塩胡椒をして玉ねぎやキノコを入れます。あれば少しお酒を入れて、あとは焼くだけ。
火加減によっても異なりますが、バーベキューの網の上で15分から20分ほどで焼くだけなのでとっても簡単です。
グランピングでバーベキュー&自然を楽しむ
「バーベキューを楽しみたいけど、道具がない。」
バーベキューも自分でやろうと思うと、場所の確保、バーベキューの道具一式など、道具を揃えないといけません。
お店などで楽しんだり、レンタルできる場所ならいいけど、どうせなら、キャンプもやって自然を楽しみたいよね〜、という方も多いはず。
キャンプとなると、テントなどさらに揃える道具も増えてしまいます。
そんな時は、手軽にキャンプやアウトドアが楽しめて、バーベキューもできるグランピングがおすすめです。
グランピングなら、道具不要で冷暖房完備のドームテントに泊まれたり、バーベキューや焚き火を楽しめたり、ゆっくりお風呂やサウナを楽しむことができる施設もあって、特別な時間を過ごすことができます。
グランピングなら、ビジョングランピングがおすすめです。
富士山を眺めながら、ラグジュアリーな時間を過ごせるVISION GLAMPING Resort & Spa 山中湖
当サイトよりお申し込みであれば、「VISION GLAMPING Resort & Spa 山中湖」が特別割引で10%OFFとなります。お申し込みはこちらから
霧島の上質な温泉を楽しみながら、非日常を味わえる「こしかの温泉グランピング」
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美肌の湯「こしかの温泉」とは?こしかの温泉の魅力やグランピング施設をご紹介
まとめ
「食欲の秋」には、たくさんの旬の食材に出会えるチャンスです。食わず嫌いにならず、いろんな食材を試してみるのがおすすめです。
旬を迎える秋の味覚を食べて、この秋を満喫してみてはいかがでしょうか。