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オフィスやフロアの移転・移設は何をどうしたらいいの?移転に必要な6つのポイント

新型コロナウイルスが世界中にまん延し、私たちの働き方も変化しました。
在宅ワーク(テレワーク)・時差出勤・シェアオフィスなど、働く場所や環境・時間も自由になってきた会社が増えてきています。
以前より言われていることでしたが、今回のコロナ禍においてより浸透率が高まった気がします。

そんな多様な働き方になり、オフィス環境にも変化が起こっています。
在宅ワークや時差出勤の増加により、これまでの一人一席が不要になり、フリーアドレスが導入される。
従業員の出勤率を50%に抑えているので今の広さのオフィスが不要になった。

など、より効率化してきている側面もあります。

さてそんなオフィス環境の変化ですが、移転や移設の方法・手順はご存じでしょうか。
前置きが長くなりましたが、今回は移転・移設で困らないポイントをご紹介していきたいと思います。

目次

  1. 移転の下準備は何が必要?
  2. 発生するコスト
  3. 新しいオフィスを探すポイント
  4. 利用中オフィスの原状回復工事
  5. 引っ越し準備・作業工程確認
  6. 移転に関する各種手続き
  7. まとめ

1.移転の下準備は何が必要?

オフィスを移転する際に必要なことは大きく分けて4つあります。

1-1.現事務所の解約条件の確認

賃貸物件ですので、解約の申告は〇ヶ月前までなど解約に関してのルールがあるはずです。
6ヶ月~3ヶ月前に事前申告することが多いですが、事前に契約書を再確認しましょう。

1-2.移転にかかる費用の確認

次のオフィスはどのくらいの広さで、どんなレイアウトにするか、
新しいオフィスに移転するにあたって新たに購入するものは何か、など発生するであろうコストをあらかじめ見積もっておきましょう。

発生するコストの内容

  • 敷金
  • 礼金、仲介手数料
  • 内装工事費
  • 引っ越し作業費
  • 什器・オフィス家具購入費
  • 電話工事・LAN工事費
  • オフィス家具、機器廃棄費
  • 原状回復工事費
  • 名刺作成費
  • 移転の案内ハガキ
  • 会社概要パンフレットの再作成
  • 登記変更費…

1-3.目的の再確認

移転の目的は、都度確認が必要です。
忙しい毎日を送っていると、やらなければならないことに気持ちが集中してしまい、目的が不明瞭になることもしばしば。

今の賃料が高いので固定費を削減したい
従業員のモチベーションアップのために居心地のいいオフィスに変えたい
リモートワークで出勤率を下げたのでオフィスサイズを小さくし、環境もフリーアドレスに変えたい

などなど、様々な理由があると思いますので、移転に係る現状の作業がその目的に見合っているものなのか、しっかり確認しながら進めていきましょう。

1-4.大まかな全体スケジュール作成

細かい部分は追って進めていきますが、現状オフィスの解約時期もありますので、大まかなスケジュールをしっかり切っておきましょう。

いつから新オフィスで始動したいのか、ゴール設定をして逆算式に作成していくと作りやすくなります。
もしくは、現オフィスの解約日が6か月後など少し期間がある場合は、解約日を軸に逆算していくのもイメージが付きやすくなります。

2.発生するコスト

先にも箇条書きしましたが、大きく分けると9つ。
こまごま分けると数十あります。

敷金

個人宅の賃貸でもメジャーな敷金。
オフィスですと10ヶ月~12ヶ月分が相場です。

今のオフィスで支払った敷金も返金されますが、新しいオフィスでの支払い期限までには間に合わないことが多いので、別途準備しておきましょう。
※敷金の返金はオフィスの明け渡し後が多いため、移転の場合はタイミングが合いません

礼金・仲介手数料・前払い賃料

敷金以外のオフィスを借りる際に発生する費用です。 礼金・仲介手数料はかかるところ、かからないところがありますので確認しておきましょう。

また、事前に賃料を支払うことが必要な場合、
オフィスビルの場合は別途共益費などが必要になることもあります。

内装工事費

  • 壁はオシャレにタイル壁にしたい
  • エントランスは会社の顔なのでロゴやシンボルを強調させたシンプルな空間にしたい
  • 社長室は大事なお客様との内密な話が多いので防音性を高めたい
  • フリーアドレスを採用するので自由にミーティングができる可変するレイアウトにしたい
  • 部署毎にスペースを区切りたいのでパーテーションを入れたい

など、移転先で叶えたい希望に合わせて内装工事に必要な内容が変わってきます。
予算との兼ね合いもありますので、要望に優先順位をつけ、やる・やらないを判断できるようにしておきましょう。

また、利用状況により電源工事も必要になる場合があります。
もっとOAタップを増やしたいという場合には別途検討しておきましょう。

引っ越し作業費

今あるものをどこまで運ぶかを判断します。
デスク・椅子、ロッカーや各従業員の荷物など、オフィスにあるものは多種多様です。
扇風機や空気清浄機など家電もありますし、コピー機・ビジネスフォンなどのOA機器もあります。

コピー機・複合機に関しては精密機器になります。
引っ越し業者さんで運んでくれるところもありますが、補償してくれないところがほとんど。
基本的には専門の業者の手配が必要になります。

什器・オフィス家具購入費

移転の際に新しくするもの、増員に合わせて追加購入するものなど、様々な理由で新規購入するものがあると思います。また、購入代金とは別に搬入費用・施工費用などがかかる場合もありますので合わせて見積りましょう。

電話工事・LAN工事費

電話を引く工事、インターネットが利用できるようにする工事。
いずれも初期費用など発生する場合がおおいため、前もって確認と手配が必要です。

オフィス家具・機器廃棄費

移転先では使わないものに関しては、そのまま放置することはもちろんできませんので、廃棄することになります。
ただ、別途業者を呼ばずとも、引っ越し業者に廃棄も同時に依頼できることもありますので、引っ越し業者を選定する際に一緒に相談すると手間が省けます。

原状回復工事費

現在のオフィスを契約時の状態に戻す工事です。
内装から設備まで、契約後に施工した内容は元に戻す必要があります。

ただ、契約によってはその費用を貸主が負担してくれるところもありますので、一度契約書を確認することをおススメします。

名刺作成費

新しい住所に変わりますので、名刺も修正が必要です。
名刺を持つ全従業員分必要になりますので、移転費用としては微々たるものですが、大事な作業なので忘れずに対応しましょう。

移転の案内ハガキ

移転したことを取引先やお客様へ連絡するお手紙です。
最近はメールで済ませることも多くなっていますが、まだまだ手紙などアナログを大事にする方も多いのも現実。必要な場合は早めに対応しましょう。

会社概要パンフレットの再作成

営業マンがお客様先に持っていくものの一つ。
名刺と合わせて修正が必要になりますので、事前に準備が必要です。

登記変更費

本店・支店問わず移転の場合は登記情報の変更が必要になります。
地味に費用の発生と作業があるので、準備しておきましょう。

3.新しいオフィスを探すポイント

新しいオフィス探しで不動産屋に出向くと、予算や重視ポイントに合わせた物件を紹介してもらえます。
その際に、気を付けるポイントをお伝えします。
基本は、契約後に変えられないこと・変えるのが難しいことをチェックするのが大事なポイントです。

分からない言葉や条件は都度確認する

なんでもそうですが、分からないことをそのままにしておくと、後で知らなかったでは済まないということになり兼ねません。
不動産業界には専門用語がとても多く存在していますので、都度確認して疑問点が残らないようにしましょう。

賃貸契約の方法は2種類

一般的な賃貸契約は普通借家契約
契約期間は1年以上(1年未満の期間を定めない場合は、期間の定めのない賃貸契約とみなされる)
更新は正当事由がない限り可能

途中解約は

  • 期間の定めがない場合:いつでも可能
  • 期間の定めがある場合:特約があればその定めに従う(解約申告時期は〇ヶ月前など)

駅ビルや商業施設内のテナントなどで多い定期借家契約
契約期間は制限なし(1年未満の契約も可能)
更新は期間満了で終了が原則のためなし(貸主、借主双方の合意があれば再契約は可能)
途中解約は原則なし

電気容量の確認

なんでも書面でやり取りする時代から今になって、過去よりもより必要不可欠になった電気
パソコンもインターネットも、電気がなければ使えません。

入居する設備により、電気容量の少ない場所もありますので注意しましょう。
あとから工事するとなると費用もかかり大変です。

オフィスの使用時間・空調設備

24時間いつでも出入りOKなのか、一定時間・特定曜日で特殊な入室方法がある(裏口から入る・入室時にパスワード入力が必要など)
などオフィスに合わせてルールがあります。

特にオフィスビルになると空調を一括管理しているところなどは、20時以降は空調を強制的に終了しますなどのルールが定められていることがありますので、従業員の勤務スタイルと利用可能時間がマッチしているかを確認しましょう。

フリーレント可能か聞いてみる

フリーレントとは、新規オフィスの契約から一定期間を無償にしてくれるものです。
オフィスの入居は基本的に、契約⇒即利用開始 とはならず、

契約⇒内装工事⇒入居 となるため、
契約から入居までの日数が必要になります。

移転前のオフィスもその間利用しているわけなので、当然その期間は2重契約となり、2重に賃貸費用も発生します。
その間の負担を少しでも減らしてくれるのがこのフリーレントです。

もちろんこれは貸主さんのサービスであり交渉の結果なので、付けられたらラッキーくらいの軽い気持ちで聞いてみましょう。

4.利用中オフィスの原状回復工事

現状回復工事は、貸主によって工事業者を特定されていることがあります。 その場合の工事費用は先方の言い値になりますので、見積に納得できないことがあれば工事業者を変えられないか交渉してみましょう。

現状回復する業者により、交渉も含め対応してくれるところもありますので交渉するのは不安が残るという場合は相談してみるといいでしょう。

[交渉だけでもOK]原状回復ドットコム

5.引っ越し準備・作業工程確認

新しいオフィスを決めたら内装やレイアウトを本格的に詰めていきます。
一番最終的な費用が変わる部分にもなりますので、新オフィスへの移転目的とズレないよう意識しながら作っていきます。

また、新しいオフィスに持っていくもの、行かないもの(処分)をチェックリストなどを作成し、分けておきましょう。
先に捨てられるものは処分。引っ越しのタイミングで処分するものは処分スペースを作り、後で作業がしやすいよう分けておきます。

準備が整ったら、作業をどの順番で行うかを再確認。
順番を逆にしてしまうと工事ができない、余計な出費が発生するということにもなり兼ねません。

例えばオフィス家具を設置した後に内装工事 など。
先に家具を設置してしまうと、内装工事や配線工事のときに作業がしづらくなり、せっかく設置した物も工事のために移動して…となり、手間だけが増えてしまいます。

先にやるべきこと、後からやるべきことなど整理してスケジュールを組み立てましょう。

合わせて、コピー機・複合機など専門業者に依頼すべき機器などもあります。
引っ越し荷物リストを作ったら、引っ越し業者さんとどこまでできる・できないを確認し、できないと言われたリストも引っ越しが完了できるよう手配しましょう。

6.移転に関する各種手続き

先にも少し記載しましたが、個人で引っ越しをしたときに住民票を移動させるように、
法人が引っ越した場合も各種手続きが必要になります。

法務局

現在の登記と新しい事務所の場所が同じ管轄かどうかで多少費用や作業が変わります。
管轄エリアの確認はこちら

労働基準監督署

「労働保険名称・所在地等変更届」の提出が必要になります。

税務署

「異動届出書」が必要です。
申請時に法人登記簿謄本、登記事項証明書、定款等の写しなどが必要になりますので準備をしておきましょう。
郵送でも対応可能です。

警察署

自動車を会社で保有している場合は「自動車保管場所証明申請書」の提出が必要になります。

年金事務所

「適用事業所所在地・名称変更届」の届け出が必要です。
従業員の健康保険料や年金に関わることなので早めに対応しましょう。

公共職業安定所

「雇用保険事業主事業所各種変更届」の提出が必要です。
雇用保険に関わる部分です。忘れないよう手続きをしてください。

都道府県税事務所

東京都の場合は、都税事務所にも住所変更の「異動届」の提出が必要になります。
東京都のように、都道府県毎に別途必要なエリアもありますので確認しましょう。

郵便局

移転後もしばらく郵便物が現住所へ届いてしまうことがあると思います。
申請しておくことで一定期間転送してくれますので、忘れずに依頼しておきましょう。

銀行

大事なお金を管理している銀行ですので、後で困らないよう住所変更は早めに済ませましょう。
住所変更時に印鑑・通帳・印鑑証明書などが必要な場合があります。
銀行によって必要書類が変わりますので、事前に必要なものを確認することをおススメします。

クレジットカード

法人でクレジットカードを所有している場合は、クレジットカードの住所変更も必要になります。

場所によって足を運ばなければ手続きできないところ、郵送やインターネットで完了するところなど様々ですので、手間を抑えつつ手続きはしっかり行っておきましょう。

まとめ

移転はやることが多くて大変ですが、新しい場所はやはりワクワクします。
快適な職場環境はスタッフのモチベーションにも直結しますので、どんなレイアウトでも居心地のいい空間を作っていきましょう。

移転や現状回復については、オフィス移転おまかせドットコムへお問合せください。
移転や工事のプロと一緒に快適な空間作りのお手伝いをさせていただきます。

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