光回線の工事不要はあり得ない?工事が必要になる条件や注意点などを解説
インターネット回線のなかでも速度や容量の面で優れている光回線を、オフィスの移転時に工事せずに導入できないか気になる企業も多いでしょう。
本記事では、工事をせずに光回線の導入が可能かということについて説明します。
また、光回線の工事が必要となる代表的な条件や、光回線の工事が行えない状況などについても解説していきます。あわせて、工事不要でインターネットの利用が可能なサービスも紹介します。
この記事はこんな方におすすめです
- 工事不要で光回線を導入できるか知りたい方
- 光回線の工事ついて知りたい方
- どういう工事が必要なのか知りたい方
工事しなくても光回線を導入できるのか?
ドコモ光をはじめとする光回線ネットワークサービスは、固定回線を建物内に引き込み、インターネット接続サービスを利用者へ提供しています。
これが、速度が早く容量も大きい光回線によるインターネットサービスが利用できる理由です。そのため、導入時には必ず光回線の開通工事を行わなければいけません。
ただし、光コンセントが建物内に設置されている場合、開通工事が不要なケースがあります。
光コンセントがあるということは、すでに光回線を届けるための準備が事前の工事によって整っているためです。
光コンセントとは、建物内に引き込まれた光ファイバーケーブルと通信機器を接続するための差し込み口を指します。光コンセントは一般家庭やオフィスなどにもみられる電源コンセントとの「一体型」が主流です。それとは別に、エアコンのダクトなどからケーブルを引き込む「分離型」も存在しています。分離型は、部屋の壁に穴などを開けてつなぐケースもあるでしょう。
光コンセントがすでに設置されており、光ファイバーも正常な状態であれば、大掛かりな工事は不要なケースが大半です。
しかし、NTT局舎内で行われる、光回線を実際に利用するための「無派遣工事」は行わなければいけません。
工事の程度は異なりますが、オフィス移転後に光回線によるインターネットを利用するには、なんらかの工事が必須ということになります。
光回線の派遣工事が必要になる代表的な条件
光回線開通のための工事には「派遣工事」と「無派遣工事」があります。
派遣工事とは業者がオフィスなどの建物を直接訪れ、光コンセントの設置を行う工事を指します。光回線の派遣工事が必要となる条件としては、「新規で光回線を開通させる場合」と「現在とは異なる回線を導入する場合」の2つが代表的です。
ここでは、それぞれのケースについて解説します。
新規で光回線を開通させる場合
移転先のオフィスではじめて光回線を導入する場合は専用の回線工事が必須です。
光コンセントが設置されていなければ、光ケーブルを通したことがない物件ということなので、必ず派遣工事を行わなければいけません。契約するインターネット回線を選定し、早めに工事の予約を入れる必要があります。
仮に、移転先オフィスに光コンセントが設置されていたいとしても、回線元が光コラボやフレッツ光であれば、開通工事が必要です。
インターネットを利用するための建物内の配線方式は、主に3つに分類できます。
光回線を利用する「光配線方式」、メタルケーブルを利用する「VDSL方式」、LANケーブルを利用する「LAN配線方式」の3つです。
それぞれの特徴を押さえたうえで選択する必要があります。ちなみに、3方式のうち、もっとも早い速度でインターネットの利用が可能なのは光配線方式です。
現在とは異なる回線を導入する場合
すでに光回線が導入されたことのある物件へオフィスを移転したとしても、これまで利用したことのない光回線サービスを導入する場合は派遣工事が必要です。
工事により、新たな回線を建物内に引き込まなければ、希望するインターネット回線を利用できません。光回線にはさまざまな種類が存在していますが、「フレッツ光・光コラボ系」と「独自回線系」に大別可能です。
フレッツ光・光コラボ系の代表的なサービスとしては、フレッツ光、ドコモ光、ソフトバンク光、So-net光プラス、ぷらら光などがあります。これらは、同じ回線を使用している点が特徴の一つです。
独自回線系には、NURO光、auひかり、eo光、ピカラ光、メガエッグなどのサービスがあります。こちらは、それぞれが独立した回線を使用しています。
同じ回線を使用しているため、「フレッツ光・光コラボ系」内であれば、別のサービスへと変更しても派遣工事は必要ありません。
一方で、「独自回線系」は、そのような互換性がないため、変更の際には工事が必須となります。例えば、ドコモ光からソフトバンク光への変更は工事不要ですが、ドコモ光からauひかりへの変更は工事が必要です。
また、auひかりからNURO光への変更も工事が必要となり、NURO光からフレッツ光への変更も工事が必要となります。
光回線の工事を行う際の3つの注意点
光回線の工事を行う際の注意点は、主に「工事の費用が相応にかかる」「すぐには使えず一定の時間がかかる」「賃貸物件の場合はオーナーの許可が必要」の3つです。
ここでは、それぞれの注意点について解説します。
工事の費用が相応にかかる
社光回線の工事の費用は利用者が負担しなければいけません。
相場は、2〜4万円ほどです。土日祝日の作業では、3000円程度の追加料金がかかるケースもあります。工事費用は、内容などにより異なります。屋内配線の工程を専門業者へ一任するケースがもっとも高くなるでしょう。
屋内配線の工程が不要のLAN配線方式を選択する場合や、建物内の配線設備を利用し回線終端装置を利用者自身が設置する場合は、比較的安く済みます。
すでに設置してある光コンセントを利用するため、専門業者によるオフィス内での作業が必要ないケースもあるでしょう。いわゆる無派遣工事ですが、このケースでも2000円程度の費用がかかるのが一般的です。
キャンペーンなどの利用により、工事費用が安くなるケースもみられます。必ずしも、利用したい回線サービスがキャンペーンを行っているとは限らないため、費用とサービス内容のバランスをみながらの選択が重要です。
工事費用は、通常、分割払いも選択できます。その際には、毎月の利用料に上乗せされるのが一般的です。
少しでもオフィスの移転コストを削減したい場合には、工事前に費用の詳細を確認したうえでの申し込みや契約がポイントとなるでしょう。
すぐには使えず一定の時間がかかる
通常、光回線の工事を申し込んでから実際に工事を行うまでには時間がかかります。タイミングや業者、サービスなどにもよりますが、申し込みから開通工事までは1〜2カ月ほどはかかると見込んでおく必要があるでしょう。
早ければ2週間ほどで開通工事が行われるケースもありますが、オフィス移転の際には、余裕をもってスケジュールを組んでおかなければいけません。
特に、申し込みから回線工事まで時間がかかりがちなのが3月や4月の引っ越しシーズンです。多くの家庭や企業が引っ越し先で使用するインターネット回線の開通工事を申し込むためです。
派遣工事は、基本的に申し込み順に実施されます。タイミングが悪く、自社よりも先に多くの家庭や企業が回線工事の申し込みをしている場合、順番を待たなければいけません。
移転のタイミングを間違えると、オフィスの移転が完了したにもかかわらず、インターネットが利用できない状況となってしまいます。
光回線を利用したい場合には、移転の数カ月前には利用サービスを決定し、申し込みを行っておく必要があるでしょう。
ちなみに、回線工事自体は、1〜2時間程度で終わります。建物内に回線を引く必要があるため、立ち会いも基本的には必須です。従業員の誰かが工事に立ち会えるよう、スケジュールを組んでおくことも重要なポイントとなります。
賃貸物件の場合はオーナーの許可が必要
オフィスの移転先が賃貸物件の場合はオーナーから光回線の導入の許可を得る必要があります。
独断で工事を決定するのではなく、事前に必ず連絡をし相談しておきましょう。
これまでの光回線の利用状況や建物の構造などによっては、光ファイバーを引き込むための穴を壁などに開けなければいけません。事前に業者に相談し、穴を開ける必要がある際には、再度オーナーや管理会社に連絡を入れ許可を得ます。穴自体は直径1cmほどと、さほど大きくはないものの、独断で穴を開けると大きなトラブルとなる可能性があるので、必ず確認が必要です。
インターネット回線は通っているが、光回線とは別の回線が導入されているケースもあるでしょう。そのような場合、光回線の利用が困難です。どうしても光回線にこだわるのであれば、新たに光回線を引くための工事が必要です。
物件のオーナーと相談しながら、解決策を見出さなければいけません。
光回線の工事をせずにインターネットを使うには?
光回線は、全国の人口が多いエリアを幅広くカバーしています。
しかし、一部過疎地や離島では利用できないエリアもあります。オフィスの移転先で利用可能か、回線業者のWebサイトなどで事前に確認しておきましょう。高層階や外壁・配管が特殊な場合など建物の構造上、ケーブルが引き込めず回線工事が難しい物件もあります。
築年数の古い物件にも、工事が難しいケースがみられます。また、電柱から引き込む光回線の特性上、近辺の電柱の有無も重要なチェックポイントとなるでしょう。こうした光回線の工事が行えない、あるいは難しいケースに該当しないか、事前に確認しておくことが必要です。
光回線の工事が行えない状況とは
光回線の工事が難しいようであれば、モバイル通信を利用しインターネットに接続する方法を利用するとよいでしょう。
オフィスでの利用には「ホームルーター」も適しています。通信速度は光回線よりも遅いものの、コンセントに差すだけでWi-Fi接続が可能となり、非常に便利です。
同時接続数も多めに設定されているため、オフィスでの利用でも問題ありません。回線工事も不要です。申し込み後、最短で当日発送してもらえ、到着後はすぐに使えます。
「ポケット型WiFi」であれば、場所を移動しながらインターネットが利用可能です。ホームルーターのデータ通信量は基本無制限使い放題である一方で、ポケット型WiFiはデータ容量によってプランが異なる点には注意しなければいけません。
各サービスを比較検討し、自社に最適なプランを選択するようにしましょう。
工事不要でインターネットを使うならWiFiレンタルがおすすめ
光回線の開通には、原則工事が必要です。
もし、物件やオーナーなどの都合により光回線の工事が困難であったり、工事にかかる時間を節約したかったりする場合には、ホームルーターやポケット型WiFiの活用も検討してみましょう。
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