中小企業にDXが欠かせない理由とは?DXに取り組む際のポイントを解説
デジタル技術の進化に伴い、多くの企業で進められているDX(デジタルトランスフォーメーション)。
DXというと「大企業が導入するもの」というイメージが強いかもしれませんが、実は中小企業にもDXに取り組んでいる企業は多く、DXに取り組む必要性も高まっています。
とはいえ、DXに関心はあっても何から始めるべきかわからない中小企業も多いのではないでしょうか?
この記事ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の概要や中小企業に求められる理由、DX化を進める際のポイントなどを解説します。
この記事はこんな方におすすめです
- DXについて知りたい方
- 中小企業のDXの取り組み方について知りたい方
- DX化を進める際のポイントを知りたい方
そもそも「DX」ってなに?どんな意味がある?
ビジネスシーンで耳にする機会も多い「DX」という言葉。どのような意味を持っているのかご存じでしょうか?
そもそも、DXとは「Digital Transformation(デジタル トランスフォーメーション)」の略称であり、スウェーデンの大学教授であるエリック・ストルターマン氏によって生み出された言葉です。
言葉の意味を簡単にまとめると、日々進化するデジタル技術を活用して自社の業務プロセスの改善や、ビジネスの発展などにつなげることを意味します。
また、「DX」と「IT化」は混同されがちですが、言葉の意味合いは似ていても目的が若干異なります。
IT化は「IT技術を駆使して業務を効率化させること」が主な目的ですが、DXは「データとデジタル技術を活用して組織や技術を変革すること」や、「革新的なサービス・もの・組織を生み出すこと」を目的としています。
そちらも業務を効率化するという側面はあるものの、効率化を行ったことによるビジネスや業務の変革を重視している点が主な違いです。
日本企業のDX化はあまり進んでいない
ただし、日本企業ではDX化が進んでいないという問題があります。
総務省が2021年に発表した「情報通信白書」によると、日本の約60%の企業が「DXを行う予定がない」と回答しており、中小企業に限定した場合は約70%にものぼります。
制度の問題、システムの問題、人材の問題など要因はいくつかありますが、日本企業におけるDXへの取り組みは全体的にあまり進んでいない状況と言えます。
中小企業のDX化を妨げる主な要因は?
前述したように、日本企業ではDXへの取り組みが進んでいるとは言えません。
ではなぜDX化が進まないのでしょうか?
DX化が進まない代表的な要因には以下の3つが挙げられます。
中小企業のDX化が進まない代表的な3つの要因
- デジタル人材の不足
- 現時点ではDX化の必要性を感じていない
- DX化の予算を捻出できない
デジタル人材の不足
1つ目は「デジタル人材の不足」です。
ITへの興味や知識を持つ人材は日本でも増えています。
しかし、その多くは初級か中級レベルのケースが多く、豊富な知識や経験を持つDX人材は少ないといわれています。
また、中小企業ではITやDXに関する知見を持つ従業員がいないケースも少なくありません。
そうした企業では、自社でDXに取り組もうと思い立っても「何をやればいいのかわからない」、「何から手をつければいいのかわからない」などの問題でDXを進めることができないのです。
また、DX人材は市場価値が高いことも問題点です。
DX人材を確保しようと思っても高すぎて採用できず、待遇の良い大企業に人材が流れてしまいます。
人材の不足、大企業への人材の集中が進むことによって、中小企業が人材を確保することがどんどん難しくなっています。
現時点ではDX化の必要性を感じていない
2つ目は多くの中小企業が「DX化の必要性を感じていない」ことです。
そもそもDX化に関心がなかったり、必要性を感じていなかったりする中小企業も珍しくありません。
中小企業は一人の従業員に対する仕事の量が多く、日常的な業務で手一杯になりがちです。
このような状況下では、実施することで効率化できたり、新しいサービスを開発できる可能性があるとしても、どうしても「DXによる効率的な業務変革をしよう」ということにまで頭が回らなくなります。
DX化の予算を捻出できない
3つ目に「DX化の予算を捻出できない」という理由が挙げられます。
DX化を実現させるためには「業務プロセスを変革するためのITツール」や、「自社設備を入れ替えるためのインフラ整備」といった多大なコストが発生する工程が存在しています。
しかし中小企業は経済状態が苦しいケースも多く、こうしたDX化に必要な予算をなかなか確保できないのです。
また、レガシーシステムと呼ばれる古いシステムを使い続けている中小企業も一定数存在し、そのシステムの維持にコストが圧迫されていたり、システムを切り替えることができないためにDX化を進められないこともあります。
中小企業にこそDXが求められる主な理由
中小企業では、DXを必要としていない企業や人材や資金の問題でDXに取り組めていない企業が目立ちます。
しかし、中小企業にこそDXは必要だという見方もあり、積極的に新しい技術を取り入れる姿勢が求められています。
なぜ中小企業にこそDXが必要なのでしょうか?
ここでは、中小企業にDXが必要な理由について見ていきます。
中長期的な業務の効率化になる
DXが必要になる理由の一つが業務の効率化につながるということです。
中小企業では慢性的な人手不足に悩まされているところもあると思いますが、今後の労働人口の減少により人手不足の問題が深刻化するリスクがあります。
問題が解決されない限りは現状を維持し続けることが精一杯で、劇的に業績を向上させることは難しいでしょう。
DX化は短期的に見れば確かにコストは増えてしまいますが、中長期的な視点で考えれば業務プロセスの改善、生産性向上、人的リソースの有効活用に繋げられます。
業績や生産性向上のためには、ITによるDX化が必須といっても過言ではないのです。
自社の業務プロセスの効率に課題を抱えている場合は、まずそこからDXに取り組んでいくことがおすすめです。
DX投資促進税によって節税に繋がる
費用面の問題でDX化に踏み切れない中小企業も少なくないでしょう。
そんな方に知っておいていただきたいのは、経済産業省の「DX投資促進税制」などを利用して節税につなげられるケースもあるということです。
これはデジタル要件、企業変革要件などの条件をクリアし、DXの実現に向けた投資であると認められた場合に、税額控除(5% / 3%)もしくは特別償却30%の措置が受けられるというものです。
なお、DX投資促進税は2023年3月末に期限を迎える予定でしたが、2025年3月まで期限が延長される見込みとなっています。
資金力が不足している中小企業も、こうした制度を利用できればDX化、DXに使えるツールの導入を検討しやすくなるでしょう。
安価なITツールが増えてきている
資金不足に悩むことも多い中小企業にとって、DX推進のために最新デジタルテクノロジーを導入することは大きな負担となるでしょう。
しかし、現代はITリソースのクラウド化が進み、中小企業でも導入しやすい安価なITツールも増えています。
たとえば、Googleビジネスアカウント等のGoogle系サービスも無料で使うことができますし、無料で使えるクラウド会計ソフトや月額数百円で使えるクラウド勤怠管理ツールなども存在します。
使いたい機能があれば必要なオプションだけ追加すればOKなので、導入費用に何十万円もかけてツールを導入する必要もありません。
多大な金額をかけずともDX化に取り組むことができるのです。
なお、ITツールは最初から会社全体、業務全体に導入するのではなく、一部門内だけでテスト的に導入するなど、小規模な範囲で進めていくと失敗を避けやすくなります。
無料、または安価で使えるITツールの例 | 初期費用 | 月額 |
---|---|---|
Googleビジネスアカウント | 無料 | 無料 |
クラウド会計ソフト | 無料 | 無料 |
社内申請・ワークフロー管理ツール | 無料 | 200円~300円 |
クラウド勤怠管理ツール | 無料 | 200円~300円 |
ビジネスチャットツール | 無料 | 200円~300円 |
中小企業がDX化を進める際のポイント
中小企業がDX化を進める際は「何が課題なのか」、「DXするためのキャパシティがあるのか」など、いくつかの気を付けるべきポイントがあります。
どういった点に注意するべきなのか、それぞれ解説します。
DX化を進める時に気を付けるポイント
- 課題とビジョンを明確にする
- DX人材の確保、ツールの選定
- 一気に全体を変えるのではなく、小さい範囲から変えていく
課題とビジョンを明確にする
まずDXの導入で重要になるのが課題とビジョンを明確化することです。
非効率的な業務やプロセスを洗い出し、どのような方法でIT化すべきか見極めましょう。
この時に意識しておきたいのが「デジタル化は手段」であり目的ではないという点です。
デジタル化することを目的にしてしまうと、業務が効率化できているか、革新的な業務フローになっているかなどの最終目的があやふやになってしまい、投資したのに全然効果がでないなんてことになってしまいます。
「とりあえずDXする」のではなく、DXに何を求めているのか、何を実現したいのかなどの具体的なイメージを描くことが重要です。
DX人材の確保、ツールの選定
DX化を成功させるには「人材の確保やツールの選定」も必要です。
社内でIT技術やデジタル化などに関する知識を持つ人材を見つける、もしくはDX人材の採用活動を行いましょう。
優秀なDX人材を採用するためのノウハウが自社にない場合は、DX関連のコンサルタントや支援サービスを利用するのも一案です。
また、できる範囲で少しずつ試す段階ではDX人材を常駐させる必要がない場合もあります。そういった時は必要な期間だけIT人材を外注するのも良いでしょう。
一気に全体を変えるのではなく、小さい範囲から変えていく
DX化する時には「スモールスタートを前提とする」、「補助金を利用する」ことも押えておきたいポイントです。
一気に企業のDX化を進めようとすると、環境の変化に従業員が戸惑ったり、負担がかかって普段通りの業務ができなくなる可能性があります。DX化は少しずつ身近なところから始めることがおすすめです。
例えば、日々の業務内容や関連情報をデータとして残すことから始めるのも良いでしょう。これだけでも有効に働くケースが多くみられます。
なお、小規模企業や個人事業主がデジタル化を実施する際は、さまざまな補助金を活用することもおすすめです。
代表的なものには「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」などがあり、上手に活用するとコストを抑えられるでしょう。
中小企業のDX化はできるところからコツコツと進めていこう
DX推進には高価なITツールや優秀な人材の採用が必須だと考える中小企業も多くみられます。
しかし、安価なITツールを利用したり、DX人材を一定期間だけ外注する、DX補助金を利用するなどの方法を活用すればコストを抑えてDX化することも可能です。
まずは小さな範囲からDXを始めてみてはいかがでしょうか?
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