起業・独立・開業前に大切なことは情報収集!どうやって集めたらいい?
はじめに
起業や独立を成功させるためには、事前の情報収集が大切です。必要な情報を知っているのと知らないのでは、万が一の時に失う金額や得る利益に大きく差が出てしまう可能性も…。今回は、起業に関する情報をどこでどのように集めたらいいのか、具体的に見ていきたいと思います。
▼目次
起業・独立・開業前に情報収集が大切な理由
まったく未経験のジャンルで起業する場合、これまで勤めてきた会社と同じ業種で独立する場合、新しく個人の店を構える場合など、ひとことで起業すると言っても多くの種類があり、また目指す事業の形も描く将来の姿もさまざま。ですが、共通していえることは、事前の情報収集が事業を成功させる大きな鍵であるということです。
たとえば、多くある補助金や助成金などの制度に関して、もし知っていれば有効に活用することができます。補助金や助成金については、募集期間が定められているものや起業後◯年以内などメリットを受けるために条件があるケースが多く、情報を知った時にはすでに自分は対象外だった…となってしまうと、せっかくのチャンスも有効活用をすることができなくなってしまいます。
そのほかにも、日々新しい制度が作られたり既存の制度が改正されたりと、起業にまつわる状況は日々刻々と変化しています。常に新しい、そして確実な情報を収集できるように心がけておくと、チャンスを見逃すことが防げるでしょう。
公的機関の支援情報を集めるには
情報収集する時に参考にしてほしい情報として、まずは公的機関が起業支援のために行っていることを具体的に紹介します。
1.経済産業省が行なっていること
経済産業省は、新規産業の創出やベンチャーの創業・成長を促すため、さまざまな取り組みを積極的に行っています。
たとえば、小規模事業者の新商品や新サービスの開発・販路拡大を支援する「小規模事業者活性化補助金(最大200万円を補助)」や女性や若者の地域での起業に対して、最大200万円を補助するなどの「創業補助金」、創業予定もしくは創業から2期未満の企業に対して1,500万円までを無担保・無保証人で融資する「新創業融資」など、補助金や融資に関する制度が手厚く用意されています。
また、「新事業創出プラットフォーム」や「認定支援機関」など、起業や経営に関する相談窓口もあります。さらには、「起業応援税制(エンジェル税制)」など、新たな起業家を応援する投資家を優遇する制度まで。こうしてみただけでもあらゆる面から起業家をサポートしているため、起業をする前に必ずチェックしましょう。
2.独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)
起業家や中小企業の新事業展開などをサポートしているのが「独立行政法人 中小企業基盤整備機構」です。「中小機構」とも略されます。
たとえば、中小機構が運営している「J-Net21」では、資金やセミナーなどの起業をサポートするための支援情報や、経営課題解決に関するノウハウが記載されたコラムなど、起業家が知りたいあらゆる情報が掲載されています。職種別の市場データなども掲載されているため、定期的にチェックしておくと起業やその後の事業拡大に際して大きく役立つ情報を得ることができるでしょう。
民間の起業支援サービスも見逃せない
公的機関でなくても、民間企業や団体が行っている起業支援活動も多くあります。セミナーや融資などに関しては、募集期間が設けられているものもありますので、気になるものがあれば忘れずチェックしておきましょう。
1.DREAM GATE
株式会社プロジェクトニッポンが運営している日本最大級の起業支援プラットフォームが「DREAM GATE」です。特筆すべきは、起業や経営の専門家を自分が住んでいるエリアから探して、直接相談できること。ほかにも解決したいカテゴリーを選択すると、その分野の専門家が探せる機能もあります。
加えて、会社設立キットや事業計画作成サポートツールなど、役立つ情報が数多くダウンロードできます。定期的に起業セミナーも開催されており、そのなかには無料のものもあるので、積極的に参加してみましょう。
2.女性起業家支援制度
女性起業家を支援する制度や団体は数ありますが、なかでも株式会社ちふれ化粧品が行っている「ちふれ女性起業家支援制度」は注目です。
起業や事業拡大にあたって、資本金の出資及び貸付金の貸付(1件あたりの上限は合計金額1,000万円)を行うというもので、2017年8月に第5回目が募集されました。次回の募集は未定ですが、問い合わせは随時メールにて受け付けているようです。同時に、起業セミナーやスキルアップセミナーも開催されており、社をあげて女性の起業支援を行っています。これから起業を考えている女性は、ぜひチェックしておきたい制度です。
先輩経営者・起業家に相談する
すでに起業している先輩経営者や起業家の体験談も、事前に集めたい情報のひとつです。自分が起業したい事業と同業種の先輩はもちろん、違った分野であっても成功を収めている人のアドバイスを聞くことはとても参考になる場合が多いので、より多くの体験談を聞いておくとよいでしょう。また、成功例ばかりではなく、起業に失敗したケースも知っておくと、その経験の中から何が失敗だったのかを学び取ることができます。
間接的・直接的にかかわらず、先輩起業家からのアドバイスを得ることがとても大切です。
1.間接的な情報収集(インターネット・著書)
最も手軽で多くの情報が得られるのが、インターネットを使った情報収集です。キーワードで検索すれば、先輩起業家のブログやFacebookの投稿記事などが多数ヒットするでしょう。また、起業家を支援する専門家の知識なども、さまざまなサイトで公開されています。ここで注意しておきたいのは、あまりにも多くの人がバラバラと情報発信しているが故に、本当に有益な情報を見極めにくいという点です。
起業にあたっての心得などは普遍的なもので自分のケースにも活かせるかもしれませんが、制度などは年々変わっていますので、数年前に書かれた記事と今とでは状況が変わっていると考えた方がよいでしょう。書かれている情報の鮮度や正確性を吟味したうえで、参考にできる部分は参考にしていくというスタンスが求められます。
また、起業に関する書籍も多く出版されているので、できるだけ新しいものをセレクトした上で参考に読んでおくこともおすすめです。
2.直接的な情報収集(相談会・紹介)
起業家を支援している団体が、先輩起業家を呼んで相談会を開催していることがあります。
たとえば、公益財団法人仙台市産業振興事業団が主催して、宮城県内で1年以内に起業予定、もしくは創業後5年以内の新興起業家を対象に、先輩起業家から直接アドバイスがもらえる相談会を無料で行っています。そのほかにも、さまざまな団体が先輩起業家との交流会を開催しており、定員がいっぱいになるケースも多いようです。
また、友人や知人を通して先輩起業家を紹介してもらうというのも、直に話が聞ける大きなチャンスです。その際、起業したばかりの人を紹介してもらえると、つい最近まで同じ立場だったからこそ、今の自分の状況に近い悩みの解決法や起業に際した役立つアドバイスが期待できます。
間接的な情報収集はもちろん、直接話して相談できる機会も自分から積極的に探しておくとよいでしょう。
起業支援交流会などに参加する
起業家を支援するための交流会に参加するのも、有益な情報が得られる手段のひとつです。
たとえば、渋谷区では商工観光課が主催する「創業支援交流会」を定期的に開催しています。民間企業でもサイボウズ株式会社は、起業家と支援者をつないで地域活性をはかる「地域クラウド交流会」を運営しています。そのほか、多くの公的・民間を問わず多くの起業支援団体が定期的に交流会を開催しています。
常に新しい、生きた情報が得られるだけでなく、同じように起業を目指している仲間と知り合えるため、相互に刺激が受けられるのが参加するメリットの1つでしょう。こういった機会を持つことは、自らの意識改革にもなります。機会があれば、起業支援交流会にも参加してみると、意外なところで役に立つ情報や出会いが得られるかもしれません。