サラリーマンが起業前にしておくべき4つのこと~脱サラから起業編~
一口に“起業”と言ってもいろいろなスタイルがありますが、現在会社員としてどこかの企業に勤めている人が、その会社を辞めて自分で独立・起業をする、という場合も少なくはないでしょう。
今回は、そんないわゆる「脱サラ」をして起業をするケースのメリットやデメリット、事前に準備しておきたいことなどについて考えてみます。
「サラリーマンが脱サラして起業をする」とは?
まず、サラリーマンが起業するにはいくつか方法があります。
たとえば、本業の仕事を辞めずに何か新しく事業を始める「副業」や、帰宅後・週末の時間といった本業以外の空いている時間を利用して起業する「週末起業」などがその例です。
やりたいビジネスがある場合、まずは本業と並行してスタートさせ、軌道に乗ってきたら独立するという進め方は、主に資金面での安心感があります。
一方、「脱サラ」という選択肢を選ぶ人もいます。
「脱サラ」とは、どこかの企業や組織に属して給与を得るサラリーマンという働き方を辞めて、自分で起業して生活をしていくスタイルを意味します。
いずれの場合でも起業をすることには変わりはありませんが、取り巻く環境やビジネスに向かう姿勢、周囲の反応などが大きく異なるため、自分に合った働き方を選択することが大切です。
「退職後起業」「脱サラ起業」とは?
「退職後起業」とは、いわゆる「脱サラ起業」です。
その名の通り、会社に勤めていた人が退職した後に、新たに自分で事業を始めることを言います。
「退職」といっても定年退職、早期希望退職、自己都合退職などその形やタイミングはさまざまです。
特に、定年後に退職したシニアが起業する場合と、20~30代での早期退職の後の起業では、その後の考え方やビジネスの進め方も異なる点が多々あります。
ここでは定年退職ではなく、もう少し早い段階で自己都合による退職をおこなった後、起業をするケースを例にみていきます。
退職後起業のメリット・デメリット
まずは、退職後起業のメリットとデメリットについてそれぞれみていきましょう。
退職後起業のメリットとは?
仕事にやりがいが持てる
サラリーマンとして企業に属している場合は、自分が希望をしない部署への配属は、もちろん嫌だと感じる仕事や自分から積極的に取り組めない仕事でも受け入れる必要があります。
会社の企業方針にも従う必要があります。
そのため、嫌々仕事をしていると感じる場面が多い人もいるかもしれません。
その点、退職して起業すれば、自分で方針を決めてビジネスを進められるので、やりがいや満足感は高まりやすい傾向にあると言えます。
時間や裁量の自由度が上がる
起業をすると、企業に勤めていた時のように9時から18時まで勤務するというような就業規則はなくなり、自分のペースで仕事が進められます。
また、仕事を誰かから振られるのではなく、自分で決めて自分で進めていく必要があり、自分の裁量でビジネスを進めることができます。
収入に制限がなくなる
属している企業から支払われる毎月の給与がなくなるため、安定した収入はなくなりますが、結果を出せば高収入も可能です。
働いて成果を出せばそれだけ収入の大きさに反映されます。
起業がうまくいけば、サラリーマン時代にはおよそ稼げなかった額の収入を得ることも夢ではありません。
退職後起業のデメリットとは?
会社の看板、肩書が使えなくなる
サラリーマンとして働きながら企業や組織に属している場合、「◯◯社の◯◯」という肩書がありますが、個人で起業をするとそのような看板はなくなります。
業種によっては会社名を見て信頼できるかどうかを判断し、商談に応じるというケースも少なくありません。
そのため個人事業主や独立したてのベンチャーの場合、名刺を出しても取引先に相手にしてもらえないことがあります。
そのため、まずは信頼を築くこと、実績を積み重ねていくことから始める必要があると言えます。
同様の理由で、クレジットカードなどの審査が通りにくくなることも覚えておきましょう。
収入が不安定になる
収入に制限がなくなる点をメリットとして挙げましたが、やはり毎月の安定した収入が無くなるということは、デメリットともいえるでしょう。
事業がうまく進まないと収入はおろか借入金が増えるケースも多いため、しっかりと資金面の計画と対策を練っておく必要があります。
養う家族がいる場合は特に注意しましょう。
ビジネス以外のさまざまな知識が必要になる
事業を成功させて利益を生み出すだけでいいという訳ではなく、確定申告など税金の申告や保険の申請など、サラリーマン時代は所属していた会社がすべて代理で行っていた手続きを自分自身でしなくてはいけません。
そのほかにも税務や会計、法律に関することも身に付けておく必要あります。
つまり、営業や販売など業務に直結することだけではなく、事業をスムーズに運営し健全な経営を行うためのありとあらゆる知識が必要になります。
退職後起業をするために必要なこと
メリット・デメリットを認識した上で、「退職後に起業をしよう!」と決意したのなら、そのために必要な準備を考えましょう。
1.当面の資金を貯めておく
会社をやめて起業した人に最初に立ちはだかる大きな壁が、「資金面」での課題です。
ビジネスがうまくいけば問題はないのですが、多くの場合は起業してすぐに大きな利益を出すのは難しいものです。
起業したばかりの頃は何かとお金が必要となるうえ、月々の利益に波が出ることも多いため、ある程度の貯蓄をしておくことは必要です。
目安として、現在得ている年収の半年分から一年分は用意しておくのが理想ですが、もちろん様々なケースが考えられますので、いくら貯めておけば絶対に安心ということはありません。
場合によっては、助成金や補助金などが利用でき、それが助けてくれることもあるでしょう。
また、失業給付金(退職金)を頼りにしている方がいるかもしれませんが、条件によっては支給されないこともありますので、退職する前に調べておきましょう。
2.具体的な経営ビジョンを持つ
漠然とした理想だけで起業をする、というケースは多くはないでしょうが、事前に事業計画や明確な経営方針を決めておくことが必要不可欠です。
起業するにあたって融資を受ける場合、事業計画をもとに融資の妥当性について説明する場合も考えられるため、できるだけ詳細まで決めておくと安心です。
原価率や事業運営にかかる固定費などから、毎月どのくらいコストがかかり、それに対していくら売上を上げれば、事業がスムーズに進行できるかについても計算しておきましょう。
ただし、計画はあくまでも計画です。
予測不能な事態が起きた場合でも臨機応変に対応できるよう、すでに起業している人や同業種の人からアドバイスを得ておくことも大切です。
3.人間関係を再構築し、人脈を広げておく
退職する前に、社内でつながりのある人や現在の取引先はもちろん、業務上やり取りがなかった社内外の人との関係性を見直してみましょう。
これまで接点がなかった顔見知り程度の人が、もしかしたら起業後にあなたの事業に重要な知識を与えてくれるキーパーソンになるかもしれません。
共に働くビジネスパートナーになる可能性もあります。
また、業界を問わず、幅広いジャンルの人と知り合いになっておくことも大切です。
セミナーなどに参加して人脈を広げておくことは、起業前にしておくべきことのひとつです。
4.健康管理・生活面を見直す
起業をするにあたって、今一度自身の健康管理を徹底しましょう。
サラリーマン時代と違って、起業すると自分の業務を代わりにおこなってくれる人がいなくなります。
特に起業直後は事業を軌道に乗せるため、多少の無理をしても仕事に集中しなくてはならない場面が出てくることもあるでしょう。
そう考えると、サラリーマン時代以上に身体が資本となります。
倒れてしまっては元も子もありません。
健康面には十分配慮しましょう。
まとめ:退職後起業をするならまずは目標を立てよう
退職後起業はメリットも大きいですが、リスクも確かに存在し、様々な点で保険がきかなくなります。
そのため、起業後どんなビジネスがしたくて、どうなりたいかという目標を明確にしておきましょう。
より具体的にイメージしておくことで退職するまでに準備するべきことがハッキリと見えてくるはずです。
たとえば、「サラリーマン時代よりも◯倍収入を増やす」や「販売数を◯◯に設定する」という目標を持つのもひとつの手です。
そして、できればその目標を「最低基準」としましょう。最低基準と認識することで、さらなる発展を目指す予知ができます。
まずは目標を立てる。
そして目標に向かって具体的に行動していく。
起業への第一歩を自信を持って踏み出しましょう!
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