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確定申告で借入金はどう扱う?経費にできないってホント?

事業資金を確保するために、銀行や日本政策金融公庫(国)から融資を受けることもあるかと思います。

 

この場合、お金を借りていることになるため、何かしら仕訳をしなくてはなりません。返済についても、都度仕訳する必要があるでしょう。

 

本記事では借入金の内容から、仕訳の方法まで詳しく解説します。

この記事はこんな方におすすめです
  • 借入金を経費にできないか考えている人
  • 借入金の仕訳を調べている人
  • 確定申告時の借入金について調べている人

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目次

借入金は経費にはできない?

まず整理しておきたいのが、借入金の種類です。銀行などからお金を借りる借入金にも、生活費などのために取得した個人的なものと、事業用の備品や器具などの購入や資金調達のために取得した事業用のものがあります。

 

ここで、仕訳として記録を残し、確定申告で取り扱えるとしたら事業用の借入金です。家賃や消耗品など、すべての経費は事業に関するものであることが条件ですが、借入金も同様、事業にかかわるものだけが確定申告に関係してきます。

 

事業用の借入金といえば、銀行や日本政策金融公庫などからの借入はもちろん、法人から借り入れたもの、個人から借り入れたもの、事業用のカードローンも事業に関連する借入金の対象です。

事業用の借入金でも経費にはできない

確定申告にかかわってくるとしたら事業用の借入金だと紹介しましたが、事業用の借入金であっても経費に上げることはできません。

 

借入金を返済するときはお金が出ていくので、経費なのでは?と思うかもしれませんが、返済の前に借入金として借り入れているため、経費にするとおかしなことになってしまいます。

 

そもそも、借りたお金を返済しているだけなので、一度懐は借入金によって潤っているはずです。それなのに、さらに経費として支払いを上乗せすると脱税になってしまいます。

借入金の正しい扱いは「負債」です。

 

返済時は、負債から返済額を差し引いていくという形で処理します。

経費にできるのは利息部分のみ

事業用の借入金でも、返済額は経費にできないことを解説しました。
借入金の返済部分については確かに経費にはできませんが、経費としてあげられる部分もあります。それは「返済時の利息部分」です。

 

事業に必要な借入によって発生した利息という扱いになるため、借入金の利息については経費として計上することができます。

 

よく、利息が経費にできることを勘違いして借入金まで経費にしてしまうケースもあるので注意しましょう。

借入金取得時の仕訳は?

ここまで、事業用の借入金は費用ではなく負債であること、利息であれば経費に計上できることを紹介しました。

 

それでは、借入金を取得した場合どのような仕訳が適切なのか、100万円を借り入れた例で仕訳を確認してみましょう。

 

以下が、仕訳の例です。

借方 貸方
普通預金 1,000,000円 長期借入金 1,000,000円

借入金を取得した場合、負債の項目のうち、(長期)借入金として処理します。負債と費用、どちらもマイナスなイメージがありますが、費用は都度支払うものであるのに対し、負債はマイナスの財産です。

 

マイナスの財産は、返済や支払がない限り、期をまたいで繰り越していくことになります。

借入金を経費にできる例外

ここまで、借入金は経費にできないことをお話ししてきましたが、ひとつだけ例外があります。それは、住宅ローンを利用している住宅を、自宅としてだけでなく、事務所としても利用している場合です。

 

通常、事務所を契約すると家賃が発生しますが、自宅用の住宅ローンだと家賃にあたる部分が住宅ローンの返済額になります。

 

自宅と事務所兼用の場合に限りですが、住宅ローンの返済額が家賃相当と認められ、事務所として利用している部分に限り経費計上が可能です。

借入金返済時の仕訳は? 

 

借入金は基本的に経費計上できないこと、借入金利用時の仕訳について紹介してきました。

 

それでは、借入金返済時はどのように仕訳するのが適切なのか、返済額10,000円、利息100円だった場合で仕訳してみましょう。

 

以下が、仕訳の例です。

借方 貸方
長期借入金 10,000円 普通預金 10,100円
支払利息(利子割引料) 100円

上の仕訳例のように、借入金の返済額については負債から差し引かれるように逆仕訳、利息部分については支払利息として経費計上します。

 

確定申告時の確認において、借入金返済の仕訳が正しいか、ひとつの確認ポイントになるので、正しい仕訳を頭に入れておきましょう。

確定申告で確認したい借入金のこと 

 

ここまで、借入金の扱いについて紹介してきました。日々の仕訳については把握できたかと思いますが、確定申告時はどこに注意すれば良いのでしょう。

 

確定申告で確認しておくべき借入金のことについて、白色申告と青色申告に分けて紹介します。

白色申告の場合

白色申告は、申告の内容が簡略化されており、確定申告と一緒に提出する主なものは「収支内訳書」になります。収支内訳書は、青色申告でいう損益計算書のようなもの。

 

売上と経費を記入するシンプルな表です。

 

白色申告については、この収支内訳書のみで貸借対照表のような負債を記入する書類がないため、借入金の記載は特に必要ありません。

 

収支内訳書で記入する、「収利息の支払い額(支払利息)にだけ注意しておけば良いでしょう。

青色申告の場合

青色申告は、白色申告と違い、収支内訳書のような売上と経費を記入する「損益計算書に加え、資産と負債、資本を記入する貸借対照表の提出が義務付けられています。

 

貸借対照表を提出するということは、負債である借入金を記入することになります。借入金記入の際は、前年の残高から支払額分が差し引かれているか確認しましょう。

 

合わせて、損益計算書での利息の支払い額(支払利息)も確認しておきます。

利子割引料について

確定申告での借入金の確認事項について紹介しましたが、借入金を確認するなら利子割引料も場合によっては確認しておく必要があります。

 

利子割引料は、青色申告、白色申告どちらでも別途詳細を記入する項目で取り上げられているもの。

 

基本的には借入金があっても記入の必要がない項目ですが、金融機関以外からお金を借り入れた場合は記入が必要です。

 

たとえば知人からお金を借りたなど、融資という形での借り入れ出ない場合は注意しましょう。

 

 

合わせて読みたい
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確定申告の収支内訳書とは?どうやって作成する?

 

 

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損益計算書には何が書いてある?見るべきポイントとは

 

 

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貸借対照表(BS)の見るべきポイントと必要性の解説

まとめ

借入金は、確定申告をする際、確認した項目のひとつです。借入金がある場合は、返済額が反映されているか、利息の支払いが反映されているか確認しましょう。

 

なお、借入金は費用にはできないので、日々の仕訳の際は誤って費用に組み入れないようにしましょう。

負債で処理するのが正しい方法です。

 

 

 

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